そのような社会では、他の人と同じフェーズを一斉に歩むという人生から、自らが主体的に自らの人生を創造するという人生への転換が起こります。
そのような人生では、有形・無形の資産を蓄積・活用しながら、社会的開拓者(持続可能な社会の創り手)として新たな生き方を創造し、同時に新たな社会を創造していく必要があります。
人生100年時代の学びのカギ
そうなると「生涯学習」という概念の存在感が増すことになります。「生涯学習」という言葉からは、学校教育以外の教育や文化的活動すべてを包括する自発的におこなわれる社会教育、つまり公民館、図書館、カルチャーセンターなどでの学びがイメージされます。
もちろん、それも含まれていますが、それだけではありません。
「生涯学習」とは、人生の各ステージにおける課題やニーズに応じて、自分の成長や生活の質の向上を目指し、自ら主体的に取り組む自由で多様な学び全般を指す営みです。
これは、学校や社会で計画的・組織的におこなわれる学習活動だけでなく、スポーツや文化、趣味、レクリエーション、ボランティアといった幅広い分野にわたる活動を含みます。
福沢諭吉は名著『学問のすゝめ』で飯を炊き、風呂を沸かすのも学問だと主張しました。まさに人生には形式的な学びだけではなく、非形式的な学びがあふれているということです。ここには学びという概念の拡張があります。
座学だけではなく、さまざまな人との出会いや対話、さまざまな場面での活動や経験を通して、結果的に自分の生き方、考え方、態度に変化があったとすれば、それは生涯学習の成果といえるでしょう。
ということは、生涯学習の機会は、生活のさまざまな場面に隠れているのです。学びは自らの周りに満ちあふれています。これまで歩んできた人生における学びの統合をおこなっていくことが、「人生100年時代」の生涯学習にとってのカギではないでしょうか。
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