国鉄・JR列車本数の推移で読み解く「急行衰退史」 65年間の時刻表でわかった特急との主役交代劇
東海道新幹線(東京―新大阪)開業後の1965年の本数を見ると、特急、急行、準急とも大幅に増加。東海道本線から昼間走る特急の姿は消えたが、代わって夜行急行が増発。各地でも夜行急行が大増発され、1960年からの5年間で104本から292本と3倍近く本数が増えた。急行0本だった四国にも8本の急行が誕生した。
それ以上に増えたのが準急列車。5年間で194本から681本に。有料列車の合計本数は711本増の1027本と、調査した中では最大の有料列車本数増となった。
1970年の時刻表を見ると681本走っていた準急が廃止。代わって急行が685本増えた。準急が急行化したと言えるだろう。東北本線が全線電化したことや、東海道新幹線に接続する山陽、九州方面の特急、寝台特急が増えたことで、東日本、西日本エリアで特急がぐんと増えた。
1975年になると、急行の本数が978本と微増。特急の本数は286本増の460本と一気に増えた。山陽新幹線が全線開業して山陽本線で運行されていた特急車両を各地に転用したことや、1972年に登場した新型特急車両183系のデビューも大きいと思われる。
1980年には急行が減少傾向に
ここまでは、急行、特急ともに本数を増やしてきたが、1980年になると急行は減少傾向に。1985年には急行が5年前と比べて602本減少。東北新幹線(上野―盛岡間)、上越新幹線(上野―新潟間)開業の影響か、東日本エリアで急行が299本も減少した。
1980年ごろから始まった急行減少の流れはJRとなってからも止まらず、2000年の時刻表ではJR四国から急行が消え、2005年にはJR九州、2010年にはJR東海、2015年にはJR西日本から急行が消滅。最後まで残っていたJR北海道、JR東日本の区間を走る急行「はまなす」も2016年の北海道新幹線開業を機に廃止され、2020年の時刻表から毎日運転される急行は消えた。
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