国鉄・JR列車本数の推移で読み解く「急行衰退史」 65年間の時刻表でわかった特急との主役交代劇
調査したのは国鉄時代の1960年から2025年までの4月号の時刻表。列車の本数は月〜金曜日の平日に運転されているものだけをカウントして、急行の増減と同時に特急や準急の本数も調査した。「みどり」「ハウステンボス」のように併結区間がある列車は1本ではなく2本としてカウントした。
ちなみに、国鉄時代の急行、特に東北エリアを走る列車は併結や分割が複雑でカウントをミスしている可能性が高いので数値は正確なものとしてではなく、ザックリしたものと認識して軽い気持ちで読んでいただけたらありがたい。
かつて国鉄では「準急」が走っていた
新幹線が誕生する前に国内で走っていた特急は、昼間が東京と大阪を結ぶ「こだま」と「つばめ」がそれぞれ2往復、京都と博多を結ぶ「かもめ」1往復、常磐線経由で上野と青森を結ぶ「はつかり」1往復。寝台特急が東京と博多を結ぶ「あさかぜ」、東京と鹿児島を結ぶ「はやぶさ」、東京と長崎を結ぶ「さくら」がそれぞれ1往復の計9往復18本。急行は各地で104本運転されていた。
現在のJR各社のエリアに当てはめて急行の本数を見てみると、四国は特急、急行とも0本。北海道も現在より鉄道網が張り巡らされていたが特急0本、急行8本しか走っていない。
そんな時代に各地で運行されていたのは準急列車である。四国では16本、九州では52本、北海道では30本の準急が運行していた。寝台車の連結された夜行準急も運転されていた。また全席指定で停車駅が特急並みに少ない特別な準急も東京―日光間、東京―名古屋間、名古屋―大阪間などで走っていた。
とはいえ、特急、急行、準急を合わせた有料列車の運行本数の合計は316本。現在、常磐線特急「ひたち」「ときわ」を合わせた運行本数が1日66本、敦賀駅を発着する「サンダーバード」「しらさぎ」の合計本数が1日80本であることを考えると、圧倒的に少ない。
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