分断化する世界で企業に求められる「ルースカップリング戦略」とは何か アップル、ユニリーバの成功事例に学ぶ
では、物理的なアセットを多く抱える既存の多国籍企業は、どこから始めるのがよいのでしょうか。
レジリエントな組織を築くデジタルケイパビリティ
私は、「リソースと知識」の側面からスタートすることをおすすめします。なぜなら、個人・チーム・組織レベルでのデジタルケイパビリティこそが、他の3つの側面を支える土台となるからです。
たとえば、アジャイル開発の原型となった日本の製品開発手法や、リーンスタートアップの源流となったトヨタ生産方式など、日本企業にはもともと変化に強く、柔軟性の高いDNAが備わっています。こうした本来の強みをデジタルと組み合わせ、デジタルケイパビリティとして再構築することで、成長力を取り戻せると考えています。
かつては、トップが示した戦略を着実に実行する組織力が重視されてきました。しかし、不確実性の高い現在では、共通のパーパス(目的)に基づき、各地域・組織が自律的に戦略を構築・見直しできる柔軟な組織力(レジリエンス)が求められています。
企業のリーダーの役割は、競争戦略そのものよりも、まず長期的な「パーパス」を明確にし、それを実現するための組織構造(アーキテクチャー)を作ることにあるのではないでしょうか。
本記事が、グローバル戦略の再構築に取り組む企業にとって、あらたな視点や示唆をもたらす一助となれば幸いです。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら