脱常識!なぜ無印良品は世界で売れるのか?

ヨーロッパではドライバーセットが超人気

海外展開に失敗する企業が相次ぐなか、無印良品はどうして勝ち続けているのか。過去の海外進出失敗の経緯も振り返りながら、その理由を「仕組み」「商品コンセプト」「戦略」「人材」などの切り口から解き明かす(KADOKAWA)

日本に進出しているコカ・コーラは、缶コーヒーの「ジョージア」や、緑茶飲料「綾鷹」など、日本発の商品を多数生み出しています。アメリカの商品をそのまま持ってきても通用しないので、日本人の好みに合う商品を開発しているのです。

逆に、数年で撤退していった企業もあります。フランスの大手スーパーのカルフールなどもそのひとつです。

彼らが失敗した原因は、自分たちのビジネスのスタイルを、日本のマーケットにマッチさせることができなかったことです。海外でビジネスをするときは、その国の人たちが受け入れられるようなビジネスにしない限り、成功できないのです。

クウェート向けにキングサイズのベッドを開発

ではMUJIではどうやっているのか。

例えば中東のクウェートに進出したときのこと。現地のスタッフを有楽町の店舗に招いて意見を聞いたのですが、そこで初めて、クウェートではたとえ一人部屋でもキングサイズのベッドを使うのだと知ったのです。

クウェートは家が広いので、ほとんどシングルサイズのベッドを使いません。テーブルなどの家具も大きいものが好まれるとのことでした。

そこで、元々は無印良品にはなかったキングサイズのベッドを中東用に開発し(これは特例ですが)、販売することを決めました。さらに大きめのサイズのテーブルを充実させるなど、クウェートで受け入れられるラインナップにアレンジしたのです。これもMUJI流の「ローカライズ」の一つでしょう。

海外進出では、その国へ出てみて、予想と違う事態が起きることもしばしばです。

たとえば、日本ではほとんど売れないドライバーセットがヨーロッパのMUJIではよく売れています。

フランスの旗艦店の店内

ヨーロッパでは家の手直しもDIY(Do It Yourself=自分自身でやる)が一般的なので、各家庭に本格的な工作機械などがあることは珍しくありません。ところが、女性がたとえば「鍋の取っ手の緩みを直す」とか、「リモコンの電池を交換する」といった、ちょっとした作業をするのに適当な、コンパクトで、それでいて実用に足るクオリティのドライバーセットがなかったのです。だから、MUJIのドライバーセットは長く売れ続ける商品になっています。

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