栄光と挫折… 実は対照的な政治家人生を歩んできた蓮舫氏と山尾氏が迎えた「参院選」それぞれの"正念場"

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なお、7月13日には秋葉原で、2人がニアミスする“事件”が勃発。政党支持率の減少に歯止めが見えた同党だが、山尾氏の勢いに票を食われる可能性もある。

民主党で2009年に同期当選した福島伸享衆院議員や山崎摩耶元衆院議員も応援に駆けつけたが、山尾氏は事実上、孤立無援の戦いとなっている。対して、立憲民主党から比例区で出馬した蓮舫氏の戦いぶりは穏やかだ。

これまでなら「党の顔」として全国を飛び回り、民主党政権時には蓮舫氏用にヘリコプターがチャーターされたほど多忙を極めていた。しかし今回の参院選では、蓮舫氏の露出はそれほど多くない。

おそらく、連合(日本労働組合総連合会)への配慮があるのだろう。立憲民主党が参院比例区で擁立している組織内候補は6人だが、前回で7議席、前々回で8議席の比例議席を獲得してきたことから、非組織内候補が躍進すれば組織内候補の議席を奪いかねないと判断されたと考えられる。

2人の女性政治家が迎えた、それぞれの正念場

こうして見ていくと、蓮舫氏と山尾氏は共通点が多いながらも、一方が絶頂期にいるときにはもう一方が露出を控えざるをえないなど、対照的な局面が少なくないのがわかる。今回の参院選で蓮舫氏は当選するに十分な票は確保できるだろうと思われるが、171万0734票を獲得した2010年の参院選のような勢いはない。

それに対して、山尾氏が都内各地で行う演説には必ず40人ほどの人が集まり、勢いを感じさせる。その原動力の中には、自分を切り捨てた国民民主党に対する恨みもあるはずだが、そうした恨みや怨念、悲哀感を昇華させてこそ、政治への熱情となるのではないか。

元キャスターとしての知名度や初代アニー役という話題性は、もはや大きく通用しない。これからも政治家として生きようとする蓮舫氏と山尾氏にとって、今回の参院選はその正念場であるといえまいか。

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