北米プロバスケのスター選手登場に湧く台湾、市場価値は実に7億円
北米の男子プロバスケットボールリーグ、NBAのニューヨーク・ニックスに所属するジェレミー・リン(台湾名、林書豪)選手が、米国や彼の両親の出身地・台湾で一大旋風を巻き起こしている。
バスケットボールの本場・米国では、名前のLinと狂気を意味するinsanityを合わせた造語、「Lin−Sanity」と呼ばれるほどの熱狂ぶり。台湾でも同様で、商業価値にして2億5000万台湾ドル(約7億円)に上る勢いだ。
まず、リンのユニホームやTシャツの販売。NBAのユニホームを独占製造するアディダス社のハイナーCEOは自ら、台湾、中国など中華圏でのTシャツ発売を宣言した。
「リン選手の場合、1カ月で5万着は売れるだろう」。こう予測するのは、台湾出身の大リーグ投手、王建民(ワン・チェンミン)の衣料品の台湾における独占代理権を持つ、創信公司の商品部総監・梁照煌さん。「王の先発は5日に1回。リンの場合は2日に1回の出場。しかも、バスケットボールは台湾で普及率が高いスポーツ。熱狂度は王建民をはるかに上回る」と見ている。
台湾市場に投入される2種類のユニホームは990台湾ドルと1090台湾ドル。1カ月に5万着が売れるとすれば、5000万台湾ドル(約1・4億円)の売り上げになる。
しかし梁さんは、市場があっても必ずしも分け前にあずかれるわけではないと指摘する。「大リーグの台湾での代理権と異なり、リンのユニホームは米国からの直輸入。台湾市場向けに、どれだけの量が割り当てられるかによる」。
また、リン選手のスポンサー企業である、スポーツ用品最大手のナイキが、「Lin−Sanity」モデルのシューズを発売するかどうかも注目されている。