「カローラ」ガソリン車廃止でハイブリッドに集約!トヨタの基幹車種にいま何が起こっているのか?

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ところが、2008年以降はベスト10内にとどまるものの、ベスト3にさえ届かない時代が続く。このころのナンバーワンは、3代目「プリウス」だ。

いまも見かけることの多い3代目プリウスは大ヒットモデルであった(写真:トヨタ自動車)
いまも見かけることの多い3代目プリウスは大ヒットモデルであった(写真:トヨタ自動車)

ようやくベスト3にまで返り咲いたのが、現行世代が登場する2020年のこと。ここまで13年もかかってしまったのだ。

しかし、現行世代のカローラ・シリーズは健闘し、2022年には2位、そして2024年には、念願の年間ナンバーワンの座を取りもどしている。

この1位奪還が、現行カローラの大きな手柄というのは間違いない。ただし、2025年に入ってカローラの販売には、陰りが見えてきていた。

乗用車の月間販売ランキングを見てみると、2025年の1~5月は「ヤリス」が首位となり、カローラは2位の位置に甘んじている。

このままでは2024年からの2年連続のナンバー1は、相当に難しいという状況となっていたのだ。そういう意味で、5月の一部改良は、年の後半に向けての重要なテコ入れとなる。

期待は大幅改良を施した「カローラクロス」

2025年後半の販売向上のカギを握るのが、カローラ・シリーズの販売の半数近くを占めるSUVのカローラ クロスだ。

フロントまわりのデザイン一新と、新グレード「GR SPORT」の導入は、今回のシリーズをとおした一部改良の中でも最大のものとなる。

路面にウインカーを映し出す「シグナルロードプロジェクション」(写真:トヨタ自動車)
路面にウインカーを映し出す「シグナルロードプロジェクション」(写真:トヨタ自動車)

また、国内初採用となる、ターンランプと同期して路面に走行方向を矢印で表示する「シグナルロードプロジェクション」や、トヨタ初採用の「SNOW EXTRAモード」など、新たな機能の追加もされた。

気合の入った一部改良の内容は、それだけカローラ クロスの販売伸長に、トヨタとしても力を入れている証拠となるだろう。

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2年連続のベストセラーが実現し、“強いカローラ”の復活となるのか。それとも、ナンバーワンの座を再び明け渡してしまうのか。2025年後半は、カローラにとって勝負のときとなる。

鈴木 ケンイチ モータージャーナリスト 

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すずき けんいち / Kenichi Suzuki

1966年生まれ。茨城県出身。國學院大学経済学部卒業後、雑誌編集者を経て独立。レース経験あり。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。

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