カウンタックにディアブロ…ランボルギーニ「市場価値を維持する」専門部署ポロストリコの核心部を見た

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もちろん、筆者のような素人がそれを行うのは不可能であるから、実物を前に徹底的な解説を受けるのみにとどまるが。

エンジンの調子を左右するキャブレターの調整はもっとも繊細な作業のひとつだ(写真:Lamborghini)
エンジンの調子を左右するキャブレターの調整はもっとも繊細な作業のひとつだ(写真:Lamborghini)

コンディション確認のノウハウにくわえ、キャブレターに起因する車両火災が多いといわれるミウラでそれを回避する方法など、有意義なレクチャーが続いた。

翌日は、それら担当の個体をオープンロードに持ち出して、“動的チェック”を行う。

クラシックといってもまだ35年ほど、かつ、多くの改良を加え完成の域に達した25thアニバーサリーであるから、灼熱のエミリアロマーニャ州も怖くない。エアコンも(さらさらとだが)稼動するのだ。

クラシケ認証にはテストドライブも欠かせない(写真:Lamborghini)
クラシケ認証にはテストドライブも欠かせない(写真:Lamborghini)

スロットルオフ時のアフターファイヤーが少々気になるが、エグゾーストの短いミッドマウントエンジン・レイアウトではありがちなもの。

これで“臨時ポロストリコ・スタッフ”としての認証作業を終えた。

このカウンタック25thアニバーサリーが問題なく認証を終えたのはもちろんであるが、ポロストリコとして、これまでに200台ほどの認証作業を行っているという。

日本で認証作業もスタート

作業中に、オリジナルとエクステリアカラーが異なる場合はどうなるか? マフラーが(形状は同じでも)サードパーティ製の場合は? シャーシナンバーが日本で職権打刻された場合は?

……など、実際に起こりそうなケースに関しての議論をスタッフと交わした。

ポロストリコで認証された車両にのみ与えられる認定証(写真:Lamborghini)
ポロストリコで認証された車両にのみ与えられる認定証(写真:Lamborghini)

結論からいうと、それらは総じて非認証となる要因ではなく、その旨をレポートに記載されたうえで認証されるということである。

日本からもミウラやカウンタックなどが、レストレーションと認証のため、サンタアガタに愛車を送り込んでいるオーナーが相当数、存在するが、今年からは日本国内のオフィシャル・ディーラーにおけるローカルでの認証作業も実施されるそうだ。

現在はディアブロまでが対象であるが、まもなく後継の「ムルシエラゴ」もその対象となるだろう。

ランボルギーニ・ヘリテイジのさらなる価値向上に向け、ポロストリコの本気度合いを改めて理解することができた、有意義な取材であった。

【写真】ポロストリコで見た美しきヒストリカル・ランボルギーニの世界(38枚)
越湖 信一 PRコンサルタント、EKKO PROJECT代表

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えっこ しんいち / Shinichi Ekko

イタリアのモデナ、トリノにおいて幅広い人脈を持つカー・ヒストリアン。前職であるレコード会社ディレクター時代には、世界各国のエンターテインメントビジネスにかかわりながら、ジャーナリスト、マセラティ・クラブ・オブ・ジャパン代表として自動車業界にかかわる。現在はビジネスコンサルタントおよびジャーナリスト活動の母体としてEKKO PROJECTを主宰。クラシックカー鑑定のオーソリティであるイタリアヒストリカセクレタ社の日本窓口も務める。著書に『Maserati Complete Guide』『Giorgetto Giugiaro 世紀のカーデザイナー』『フェラーリ・ランボルギーニ・マセラティ 伝説を生み出すブランディング』などがある。

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