カウンタックにディアブロ…ランボルギーニ「市場価値を維持する」専門部署ポロストリコの核心部を見た

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バーゲンセールを行うことのできないこれらブランドにとって、その歴史を掘り起こし、過去のレース歴や名車へのオマージュたるモデルをラインナップすることや、ブランドのヒストリーに基づくイベントを行うことは何より大切だ。

そう、ブランド確立において“歴史の継続性”は最重要テーマであり、マーケティング活動において誠に使い勝手がよい。

若いブランドであるランボルギーニは、歴史がないという点を逆手にとって、未来的なブランドであることをマーケティングのテーマにしてきた。

ポロストリコの手により復元されたカウンタック「LP500プロトタイプ」。クラッシュテストのため破壊され長年、幻の存在であった稀少な1台だ(写真:Lamborghini)
ポロストリコの手により復元されたカウンタック「LP500プロトタイプ」。クラッシュテストのため破壊され長年、幻の存在であった稀少な1台だ(写真:Lamborghini)

現代のモデルにつながるウェッジシェイプのワンモーションスタイル(凹凸のないストレートなスタイリング)を採用した「カウンタック」などはその最たるものだ。

現行モデルにおいても、“スペースシップ”的な各部のデザインが採用され、ティーザー動画は、SF感満載に作られる。

ランボルギーニにおいてはこの戦略により、比較的若い富裕ユーザーを取り込むことができたのだ。

ネオクラシックブームも追い風に

また、現代はクラシックカーに対する関心が高まってきており。クラシックカーのコンクール・デレガンスや公道ラリーが多数開催され、広く人気を博している。

かつて、ランボルギーニのような若いブランドは、クラシックカー界においてはメインストリームになりえなかったが、時代が下るにつれて、ランボルギーニもそのカテゴリーに入るようになった。

さらに近年は“ネオクラシック”ブームとして、1980~1990年代のモデルも脚光を浴びるようになっている。

そうなってくると、エキゾチックで個性的なキャラクターを持つランボルギーニは、クラシックカー界でも存在感を強めることになるのだ。

今回、筆者が“認証体験”で担当した「カウンタック25thアニバーサリー」は1988年に登場(写真:Lamborghini)
今回、筆者が“認証体験”で担当した「カウンタック25thアニバーサリー」は1988年に登場(写真:Lamborghini)

前述したように、このカテゴリーではブランドのヒストリーをアピールすることは需要なマーケティングであり、クラシックカーの市場価値が向上することは、現行モデルの販売にもつながる。

各ブランドとも、クラシックカー部門を設けることがトレンドともなっているのだ。

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