バーゲンセールを行うことのできないこれらブランドにとって、その歴史を掘り起こし、過去のレース歴や名車へのオマージュたるモデルをラインナップすることや、ブランドのヒストリーに基づくイベントを行うことは何より大切だ。
そう、ブランド確立において“歴史の継続性”は最重要テーマであり、マーケティング活動において誠に使い勝手がよい。
若いブランドであるランボルギーニは、歴史がないという点を逆手にとって、未来的なブランドであることをマーケティングのテーマにしてきた。

現代のモデルにつながるウェッジシェイプのワンモーションスタイル(凹凸のないストレートなスタイリング)を採用した「カウンタック」などはその最たるものだ。
現行モデルにおいても、“スペースシップ”的な各部のデザインが採用され、ティーザー動画は、SF感満載に作られる。
ランボルギーニにおいてはこの戦略により、比較的若い富裕ユーザーを取り込むことができたのだ。
ネオクラシックブームも追い風に
また、現代はクラシックカーに対する関心が高まってきており。クラシックカーのコンクール・デレガンスや公道ラリーが多数開催され、広く人気を博している。
かつて、ランボルギーニのような若いブランドは、クラシックカー界においてはメインストリームになりえなかったが、時代が下るにつれて、ランボルギーニもそのカテゴリーに入るようになった。
さらに近年は“ネオクラシック”ブームとして、1980~1990年代のモデルも脚光を浴びるようになっている。
そうなってくると、エキゾチックで個性的なキャラクターを持つランボルギーニは、クラシックカー界でも存在感を強めることになるのだ。

前述したように、このカテゴリーではブランドのヒストリーをアピールすることは需要なマーケティングであり、クラシックカーの市場価値が向上することは、現行モデルの販売にもつながる。
各ブランドとも、クラシックカー部門を設けることがトレンドともなっているのだ。
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