彼らとの調査の中で、400GTのモールやバンパー形状など、当時のカタログ写真や当時の取材記事の写真を比較することで、いくつものバリエーションがあることを確認できた。

彼らはそのような地道な作業から、アーカイブを充実させている。カタログ写真撮影の現場や、各サプライヤーとのやりとりなど、当時を知る知恵があって初めてアーカイブが活きるのだ。
さて、私が担当したのは、件の最終ロットの25thアニバーサリーだ。
スタッフとともに、ポロストリコ入庫後の認証作業をシミュレーションする。
シャーシナンバー、エンジンナンバーを確認。おっと、バンク中央にあるエンジンナンバー確認のためには、フレキシブルなワイヤー付きのCCDカメラが必要だ。

“シークレットナンバー”の存在を確認するのも忘れてはならない。
もっとも、現在に至る車歴をここサンタアガタのファクトリー内で過ごした、超ロー・マイレージ個体だ。この個体に関する問題点を指摘することなどできようか!
欠かせないサプライヤーの協力
ピレリ社のスタッフにより、クラシックモデル対応タイヤに関するレクチャーも続いた。
特に2021年に図面から復刻された「LP500」の第1号プロトタイプに採用された、ほぼワンオフのタイヤを再現したストーリーは感動モノだった。
オリジナルへのこだわりも、サプライヤーの協力があって初めて成立することを忘れてはならない。

エンジニアリングのパートでは安全靴に履き替え、ワークショップでミウラをチェックする。
ご存じの方も多いと思うが、ミウラはセンターロックホイールが装着されている。
現在は、センターロックであろうと、アダプターを介してトルクレンチで締めるのがフツウであろうが、ここでは純正ハンマーを用いて満身の力でスピンナーを叩き込む。

背の高いダウンドラフト・キャブレターがミウラのエンジンコンパートメントを飾るが、ここではウェーバー・キャブレターの調整に関するレクチャーを受ける。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら