最後は、この連載でも何度か触れていますが、「もしも」の話を早めにしておくことです。いくら仲のよい家族でも、差し迫ったタイミングでの話し合いは、冷静な判断ができないことがあります。
「最期が近づいたら、自分はどのように過ごしたいか」というのは、多くの人が先延ばしにしがちなテーマですが、「こう過ごしたい」という意思を周囲に伝えることができていたら、残される家族も安心して本人の意思に沿った方法を選択することができます。
もっと優しくしてあげたらよかった
親を看取った人からは、「もっと優しくしてあげたらよかった」という言葉もよく聞かれます。

特に、がんの末期は急に状態が変化するので気持ちが追いつかず、患者に「もっと頑張ろう」と叱咤激励してしまうこともよくあり、「こんなに早く逝ってしまうなら、もっと優しくしておけばよかった」と、振り返って話す家族も多いのです。
病気をして一番つらい思いをしているのは本人です。いざというときにその本人をどう支えられたか。それがひいては自分の後悔の濃度にも関わってきます。
後悔しないために大事なのは、相手を思いやること。このことを胸に刻んで、大切な人との残された時間を過ごしてほしいと思います。
(構成:ライター・松岡かすみ)
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