「社会から取り残される焦りが半端なかった」。「母親になって後悔」した彼女のこれまでと現在地

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NHKが番組制作に際し、全国の18~79歳の母親6528人に実施したアンケートによれば、約3人に1人が、後悔したことがあると回答している。気をつけなければならないのは、イスラエルでも日本でも、母親たちの後悔はわが子を愛する気持ちと別にあることだ。

では、何を後悔するのか。回答で多かった順に列挙してみよう。

「自分はよい母親になれないと思う」

「子どもを育てる責任が重い」

「子どもとのコミュニケーションがうまくいかない」

「自分が子育てに向いていない」

「子育てに伴う家事負担の大きさ」

「夫/パートナーが育児・家事に関わらない」

「家計の苦しさ/お金がかかる」

「眠れないなど身体的なつらさ」

「子どもをかわいいと思わないときがあった」

「自分らしい生き方ができなくなった」

「『母親らしさ』や『母性』を求められる」

「希望のキャリアが築けない」

「母親になったことによる社会的地位の低下」

「母親にならなければよかった」と思ったことがある女性2092人のうち、追加調査に協力したのは1149人と約半数。そのうち、誰かにその気持ちを伝えたことがある人は27%。回答者が半分しかいないこと、伝えたことがない人が4分の3近くいる実情から、タブーの強さがうかがえる。

「キャリア志向だったのに」子育てで苦悩

今回取材したAさんも「後悔していた」一人。

Aさんの場合、後悔の要因は「家計の苦しさ/お金がかかる」「希望のキャリアが築けない」「母親になったことによる社会的地位の低下」だった。現在、長男は銀行に勤め、次男と三男は大学生である。

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