スターバックスは中国事業のテコ入れを図るため、現地企業と手を結ぶ方針を1年近く前から示していた。2024年7月末、当時のラクスマン・ナラシムハンCEO(最高経営責任者)は同年4~6月期の決算説明会で「中国企業との新たな戦略的パートナーシップを模索している」と述べたが、具体的な提携の形態やパートナー候補については明言しなかった。

それから1カ月も経たないうちに、スターバックスはナラシムハン氏の辞任を発表。新CEOに就任したブライアン・ニコル氏は、スターバックスの業績低迷について率直に認め、最大の市場であるアメリカでの成長力回復を最優先の課題に掲げた。
地場系チェーンがシェア蚕食
そんな中、スターバックスの中国事業は強いプレッシャーにさらされ続けている。近年、中国の消費者は(景気減速の影響などで)コストパフォーマンス志向を強めており、地場系チェーンの瑞幸咖啡(ラッキンコーヒー)や庫迪咖啡(コッティコーヒー)などに市場シェアを奪われているのだ。

中国のスターバックスの店舗数は2025年3月末時点で7758店と、1年前より665店増加した。しかし個々の店舗では苦戦が目立ち、2024年の既存店売上高は4四半期連続で前年同期を下回った。
「わが社の中国チームは的を絞ったマーケティング戦略の実行にすでに着手している」。ニコルCEOは2025年1~3月期の決算説明会でそう述べ、中国市場での巻き返しに意欲を示した。だが、それを実現するための明確な道筋は見えておらず、中国事業の売却交渉にも影響しそうだ。
(財新記者:馮奕銘、屈雲栩)
※原文の配信は6月23日
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