「見せかけの利回りにだまされない!」投資家が重視すべき“企業の実力”を測る視点→高配当株を数字で見極める《4つの武器》はこれだ

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このように、配当利回りが高い=お得という単純な判断は危険です。特に配当利回りには企業の業績や財務内容、成長性などが含まれていないため、それだけを見て投資判断を下すのは避けましょう。

私自身は、PERやPBRと同様に、過去から現在にかけて配当利回りがどのように推移してきたかを見るようにしています。安定的に高い水準を保っている企業なのか、一時的に上がっているだけなのかを見ることで、より的確な投資判断ができるからです。

理論株価とは? 株の「適正価格」を見抜く考え方

理論株価とは、企業の業績や財務状況、EPSやPERなどの指標をもとに算出される「理論的に適正な株価」のことです。聞き慣れないと難しく感じるかもしれませんが、私たちは日常的にも似たような判断をしています。

たとえば、水道水が入ったペットボトルが200円で売られていたら、「高すぎる」と感じて買わないでしょう。それは、水道水は安く手に入るものであり、それに200円を払う価値がないと判断するからです。一方、大谷翔平選手のグローブなら、数百万円でも買う人がいるのは、その希少性や将来の価値を見込んで「適正」と判断されるためです。

株価も同じです。企業の実力(=価値)に対して株価が割高なこともあれば、逆に人気がないだけで割安なこともあります。そこで役立つのが「理論株価」です。これは、市場の人気や感情に左右されがちな実際の株価に対し、客観的に「妥当な水準」を測るための指標になります。簡易的な理論株価は以下の式で求められます。

理論株価 = X年後のEPS ×(1 + EPS成長率)^X × 平均PER

たとえばKDDIの場合、予想EPSが342.3円、5年の成長率が4.43%、PERが13倍であれば、

342.3 × (1+0.0443)^5 × 13 ≒ 5,527円。これが5年後の理論株価となります。もし現在の株価がこれより低ければ「割安」と判断できます。

ただし、理論株価はあくまで過去の実績や仮定に基づく一つの目安に過ぎません。将来の業績や市場環境によって実際の株価は上下するため、過信は禁物です。平均PERだけでなく、過去の最大PER・最小PERなども参考にして、楽観・悲観の幅を持たせた理論株価を出すことで、より現実的な判断ができるようになります。

【さらに読む】高配当株で損したくないなら知っておきたい「割安シグナル」4つの指標→チャートだけでは足りない!ファンダと心理で掴む《高配当株の底値》
投資家バク 投資家

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とうしかばく / Toushikabaku

20代の頃はギャンブル投資で数百万円を失うも、現在は高配当・インデックス投資を学び、資産拡大中。ポートフォリオや家計収支をブログやSNSで公開。YouTubeチャンネル「【投資家バク】高配当・増配株で目指せFIRE」はチャンネル登録者数約10万人(2025年4月時点)に及ぶ

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