変質するユネスコ、「南京事件登録」の大問題 ボコヴァ氏は、なぜ"中国寄り"なのか
こうした“将来の国連事務総長”に対し、積極的にアクセスしているのが韓国だ。たとえばボコヴァ氏は2014年2月2日から4日まで、ユネスコ韓国委員会設立60周年記念行事に出席するために訪韓した。
そこで面会したのが、1月27日にパリで会ったばかりのチョ・ユンソン女性家族部長官だ。チョ氏はボコヴァ氏に「アンネ・フランクの日記は記憶遺産に登録されている。慰安婦の被害記録も同じだ」と重ねて迫っている。
そうした“おかげ”か、韓国はユネスコの要職に自国民を押し込むことに成功している。2012年4月、ボコヴァ氏はチェ・スヒャン氏をユネスコの主要部局である平和持続可能発展教育局長に任命。一方で現在の主要幹部ポストに日本人が皆無という状態だ。
そもそも日本とユネスコの関係は深い。2011年にパレスチナが加盟したことでアメリカが分担金(22%)を拒否している現在、10%を負担する日本はユネスコにとって最大の資金源だ。
日本におけるユネスコの歴史は長く深い
もっとも世界第2位の経済大国である中国が、もし日本が分担金の負担を見直す場合、これにとって代わるという話もある。
だが日本にとって、ユネスコ加盟は1951年で、国連に加盟するよりも古い。ユネスコ憲章の精神に共鳴する民間団体であるユネスコ協会が始まったのは日本が最初で、1947年のことだ。すなわち日本にとってユネスコは戦後の国際社会に歩み出した記念すべき第一歩であり、かつユネスコの精神を最も理解してきたのが日本ということになる。この歴史は奪いようがない。
ユネスコ創設70周年に当たる今年、もしこの関係が変わってしまうのなら、日本ばかりではなく世界にとって、大きな損失になるに違いない。
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