Googleの戦略/プレイス、アドワーズの取り組み《O2Oビジネス最前線・黎明期を迎えた新・消費革命》
世界規模の需要として、お店側の要望があればクーポンみたいなサービスも提供するかもしれないが、今はない。
--世界規模ということに価値を置いていますね。
「世界規模であること」がわれわれGoogleのチャレンジだ。日本でしか使えないものだったら、ベンチャー企業が作ったサービスのほうがいい。世界で使えるものを作るから、Googleだと思う。
--重要な課題は何ですか。
正確な情報を提供すること。
「渋谷」というキーワードから、どこまでを渋谷と考えるか。駅周辺なのか、渋谷区なのか、宇田川町の少し先までなのか、状況によってとらえ方が異なる。必要な情報を正確に把握することが実は非常に大事だ。探すという行為をいかに軽減してあげて見つかったという気分になってもらうか、挑戦したい。
--お店に対してはどのようなアプローチをしていきますか。
インターネットとは何かを理解してもらうところから始めている。
今は、お客さんのほうが紙ではなくネットの地図やストリートビューで見るという習慣ができている。お店も同じで、ガイドブックやタウン誌ではなく、ネットを利用して無料で探すようになってきている。加えて携帯電話を利用して探している。
看板やチラシよりもネットを使った集客の大事さを伝えたい。お客さんとの関係作りにも利用できる。お店側にも絶対メリットになることを伝えていくことが私たちの仕事だ。
--新しいサービスのアイデアは現場から生まれるのか、上からなのか。
現場からだ。デモを作って評価をもらった後、修正して話し合って製品が磨かれ大きくなる。上から作れと指示されてということはほとんどない。アイデアのある人が実際に手を動かして作ってみる。その過程こそ楽しい。
--サービスを作るうえでミッションが大前提にありますか。
ミッションがあってビジネスモデルが成立する。お金儲けだけになったら、多分みんなが使わないのでは。利用者が使うことで価値のあるインターネットの環境を作り、それに合わせたビジネスモデルを作ることがわれわれのスタイルだ。そういう意味で、「飲み屋横町のお店が正しく営業時間を載せてくれる世界」を、私は本当に目指している。
地域のサービスを世界のお客さんに届けたい。Googleプレイスを利用したから、この店でいい関係ができたといった事例を増やしたい。
地域を盛り上げていくことが今年の目標だ。