夫婦間で勃発!家庭内お財布バトルの実情 どちらが「制空権」を握るか
一方、家計管理を一手に引き受けていたものの、将来のために夫に「制されたい」と願う妻もいる。
9月の連休、施設に入居することになった祖母のマンションを整理したパートの女性(37)はこう話す。
「結局全部捨てないといけなかった。それで私は将来、必要なモノだけを買う生活にしようと決心。でも浪費家でお金を持っていると使ってしまう。特に服。セールがあった8月は6万円、今月も気に入れば2万円以上の服でも買ってしまっている」
そこで相談のうえ、夫に家計管理を頼むことにした。目標は無駄な出費をなくし、3人の子どもが独立後、上質でシンプルな老後の生活を築くこと。とはいえ、夫もハードワークで、管理の方法を試行錯誤中だ。
夫婦が交代で家計管理
こうした夫婦間のお金についての相談や講演を多数受けているファイナンシャルプランナー(FP)の細田浩世さんは、夫婦がともに家計管理に関わることを強く勧める。
「家計の動きが分かると出費に意識が向き、考えてモノを購入するようになります。また出費が急増したとき、管理する側だけじゃなく、負担も2人でシェアできて、絆も強くなる。とにかく毎月の収支だけでもお互いが認識できる工夫を。お金もたまります」
実際、2人でお金に向き合っている夫婦の場合、目標もあり貯蓄額も高いようだ。
「銀行員の夫の財布には、常に千円程度しか入っていませんよ。あ、外出時には3千円必要だって言うので、渡していますが」 と笑うのは、元銀行員で専業主婦の女性(35)。夫の給与の振込口座をしっかりキープして、明細が出るカード以外、現金は必要な分だけを渡している。
実は女性の家庭では、家計の管理者を何年かおきに交代している。そのため夫もだいたいのお金の流れは把握していて、特に不満は出ない。
「管理している側のほうが、確実に無駄遣いが減りますね。でもその分、本当に欲しいものが買えたりもしています」(元銀行員の女性)