会話が苦手なビジネスパーソンを救う黄金法則。重要なのは、会話の“目的をどこに置くか”

何か尋ねられても即答しない
何か尋ねられたら即答するのではなく、「今考えていますが、〇〇さんはどう思われますか」と返して相手の言葉に耳を傾ける。「よい案です。ここはどうですか」と内容を整理しながら、効果が期待できるベクトルに合わせる。相手は自分で考えたような達成感が得られ、壁打ちに付き合ってくれたと自身の評価も上がる。人は対話を通じて承認欲求を満たしたがるが、満たす側に回ったほうが良好な関係になりやすい。
頭のいい人は知識をひけらかすのではなく、論破もしない。闘う相手は人ではなく課題であり、先述したとおり一緒に考えるというのが基本的なスタンスだ。1つの案に対して、実行の可否の話になると、結局は相手のアイデアを潰すための議論になってしまう。
相手と闘う構図を避け、一歩引いて課題があることを認め、本来の目的やお互いができることについて話したほうが実効性や生産性は高くなる。双方にとってよい結果を見いだすためにも、対話で向き合うのは課題だと念頭に置く。
知識の披瀝についても注意したい。知識は単なる情報にすぎず、一方的に与えるとマウントだと受け取られる可能性がある。求められない情報の提供は迷惑行為だ。相手が必要とすると確認したときに出すことで知性として認められ、信頼関係の醸成につながる。私自身もコンサルティングファーム在籍時は、知っていても黙り、相手の話を聞いたうえで必要なデータを提示し、納得感のあるクロージングに持っていくようにした。
事実と意見を混同しないことや、相手の立場になって仮説を立てることも、スムーズな会話を成り立たせるポイントである。
ここで述べた項目は、頭のいい人に共通する点であり、話す前から考えていることだ。ビジネスの黄金法則ともいえる。
(構成:ライター 大正谷成晴)
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