大王製紙の内紛劇は第三幕へ 創業家がグループ会社総会で7勝1敗
大王製紙をめぐる現経営陣と創業家との争いが激しくなっている。
3月6日に行われたグループ会社5社の臨時株主総会。大王製紙の井川意高前会長(47)への巨額貸し付け事件に関連し、現経営陣は“脱創業家”の意図もあり、事件に関与した取締役の処分を予定したが、これに意高氏の父で顧問だった高雄氏(74)が反発。独自案を提出し、創業家が議決権の過半を握る富士ペーパーサプライなど4社で勝利した。
先月行われた大宮製紙など中核製造会社3社の株主総会でも創業家が勝っており、これまで8戦中7勝と圧勝している。
そもそも大王製紙の現経営陣は昨年12月、創業家が持つグループ会社の株式を買い取る方針を表明。だが、高雄氏が事件の責任を問われて意高氏と同じく解職されたことに反発。大王側が提案した買い取り価格も低いとして拒否した。
このため、これまでは大王の連結子会社と見なされていた会社も、創業家が解職されたことで子会社ではなくなった。大王の連結子会社は昨年9月末の37社から12月末の8社へと激減。その後、大王側は2月3日にグループ会社から株式を取得し19社まで巻き返したと公表したが、それも「不確定」だ。2月14日に修正発表した通期連結業績予想は8社を前提とするなど、グループ瓦解で混乱が続いている。