大王製紙の内紛劇は第三幕へ 創業家がグループ会社総会で7勝1敗
3月末に弁済期限
創業家解職、株主総会と事態が打開できない中、「第三幕」に突入。意高氏がグループ会社から借りた106億円のうち、残る59億円の弁済期限が3月末に迫っている。
大王側にとっての最善の成り行きは高雄氏が関連会社の保有株式を売却し、貸付金を肩代わり弁済すること。グループ再建と貸付金問題解決の一石二鳥となるからだ。だが、貸付金回収も高雄氏と譲渡担保権設定契約締結済みのグループ会社11社の株式取得も失敗すれば、逆に大王側は最悪の事態となる。
高雄氏はグループ会社を掌握し今後も大王側に揺さぶりをかける可能性もある。国内首位の衛生用紙「エリエール」など生産の多くをグループ会社が担い、その株式の多くは創業家が保有する。高雄氏は大王側が創業家を今後も排除するならば、製品を競合他社へ供給することもほのめかしている。
ただ、王子製紙の篠田和久社長は「こうした状況下のメーカーには関与しないのが常識的」と発言。衛生用紙の日本製紙クレシアも9月に岩国工場の生産設備を停止予定で外部供給を受ける状況にはない。
出口の見えないトンネルはまだ続きそうだ。
■写真:大王製紙の井川高雄元顧問
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(石井洋平 撮影:尾形文繁 =週刊東洋経済2012年3月17日号)
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