ソニー、Xperia 1 VIIでαやブラビアの技術を結集するも、市場シェア低下と高価格化で苦境。“美しい負け方”に徹するか
世界的に見ても「スマートフォン市場は寡占化の傾向にあり、サムスン、アップル、ファーウェイ、Xiaomiなどの大手がシェアを伸ばす一方で、『その他』カテゴリーのシェアは減少しています」(井辺氏)。ソニーはこの「その他」に分類される企業だ。

日本市場でのシェアも低下しつつある。IDCの市場調査によれば、2024年の日本国内スマートフォン市場でソニーは8位に低下した。2021年から2023年まで6位からさらに後退した格好だ。日本国内の400ドル(約6万円)以上の高価格帯スマホ市場におけるシェアも5%以下にとどまっている。
製品ラインナップの縮小と戦略転換
ソニーは近年、製品ラインナップを大幅に縮小している。「ミッドレンジモデルの10シリーズやエントリーモデルのAceシリーズ、コンパクトハイエンドの5シリーズなどの以前は幅広い価格帯をカバーしていましたが、現在はハイエンドの1シリーズに集中する戦略に移行しています」と井辺氏は分析する。
この動きは「数量ではなく利益率を重視した戦略」と見られるが、スマホ事業全体が縮小傾向にあるのは間違いないだろう。ソニーは決算会議でスマートフォン部門の収支を個別に開示しなくなった。これについて井辺氏は「業績が思わしくないことを示唆している可能性があります」と指摘する。
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