黒字定着の医薬事業から撤退、JTは「たばこへの経営資源集中」で巻き返せるか

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JTの予測では、世界全体の紙巻き売上は2035年まで成長し、売上構成比で6割以上を維持する。しかし、特に日本では過去10年でJTの紙巻き販売本数は半減。国内たばこ市場におけるJTのシェアは、アメリカのフィリップ・モリス・インターナショナルと拮抗してきている。

背景には、加熱式たばこでJTが存在感を発揮できていないことがある。「加熱式=アイコス」のイメージが定着する中、JTは後発の「Ploom TECH」などで対抗してきたものの、2023年末時点の国内加熱式シェアはPMIが72%に対し、JTは13%にとどまる。海外でのシェアもPMIが71%に対し、JTは6%と差は大きい。

主要市場でのシェアアップを目指す

そこでJTは、2023年から本格的に加熱式の海外進出を開始し、2024年末時点で24の国と地域に進出。主要市場で2028年までにシェア10%台半ばを目指す。

JTが注力する加熱式たばこ。国内のみならず海外での浸透も重要なポイントだ(編集部撮影)

巻き返しのため、マーケティング活動を強化し、海外では競合が先行する市場にあえて参入する戦略を取る。JTは今後3年間で加熱式へ6500億円を投入し、その8割を販促費に充てる。5月後半には加熱式の新製品発表も予定している。

医薬事業からの撤退とたばこ事業への集中を通じて、「加熱式=プルーム」の構図を築けるか。そこが今後の焦点となる。

本記事はダイジェスト版です。詳細版は東洋経済オンライン記事「加熱式たばこ「アイコス」の攻勢でJTの国内シェアは低迷!  黒字定着の医薬事業からも撤退、たばこに経営資源を集中し巻き返しを図れるか」をご覧ください。

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田口 遥 東洋経済 記者

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たぐち はるか / Haruka Taguchi

飲料・食品業界を担当。岩手県花巻市出身。上智大学外国語学部フランス語学科卒業、京都大学大学院教育学研究科修了。教育格差や社会保障に関心。映画とお酒が好き。

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