「うちの子、教科書読めてる?」小島慶子のオーストラリア移住から学ぶ、読解力育成の新常識

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現地校にいきなり入学すると、英語の授業についていけず、言葉に対する心理的ハードルが高くなることもあります。

IECでは終日、非英語話者の仲間と一緒に「学習するための英語」をしっかり学ぶことができる。英語社会で生きるための基本のキを重点的に学ぶのですね。

IECに通った子は、英語を母語とする子よりも総じて成績が良くなるそうです。学習するための言語習得を重点的に行うことで、より理解力がつき、学力自体が向上する面もあるかもしれません。

幼少期に英語圏で生活した子は、日常会話で「生活言語」は身についているけど、海外大への進学や外資系就職となると英語力が足りない、つまり「学習言語」が使えないというのは、「帰国生徒あるある」だそうです。「学習言語の壁」は、意識して学ばねば越えられないということですね。

息子たちはIECのおかげで、地元の学校に編入してもスムーズに授業についていけました。今では上の子はオーストラリアで就職し、下の子も現地の大学で学んでいます。IECには本当に感謝しています。

日本にも同様の仕組みがあればと思います。非日本語話者の子どもたちがたくさん暮らしていますよね。その子たちは「友達と遊ぶための日本語」はできますが、「学習するための日本語」を学ぶ機会は非常に限られているのです。

子どもそれぞれの学習タイプを分析

また、オーストラリアには子ども専門の学習コーチがいて、その子がどういう特性を持っているのかを分析した上で、どのような学習方法がよいかアドバイスしてくれます。

長男の場合は、小学校6年生でオーストラリアの学校に通い始めたので、現地の子どもが低学年のうちに履修する音声学習(フォニックス)を受けておらず、そのために英語でつまずいていることがわかりました。それで、中学の時にその部分だけを学び直したところ、成績が伸びたんです。

単語の音節ごとに文字と音の関係が頭に入り、初めて見る単語でも読めるようになります。これもまさに英語で英語を学ぶ技術の一つですね。

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