バフェット氏は「会社四季報」を読み込んでいた、仕事机の上には英語版の会社四季報「ジャパン・カンパニー・ハンドブック」が
バフェット氏が指摘するように、日本はiPhoneやコカ・コーラにとってだけでなく、音楽では世界2位、映画では3位の巨大市場だ。パチンコ産業でさえ、ラスベガス全体のカジノ収入の10倍を稼ぎ出している。
それにもかかわらず、文化的な障壁や変化の遅さ(あるいは、成長著しい周辺国の存在)が影響し、日本は本来受けるべき注目を得られていない。
日本に長年投資してきたミッション・バリュー・パートナーズのアンドリュー・マクダーモット氏によると、バフェット氏は中国投資熱が高まったころ、「日本企業に安心感を深める一方、中国には不安を抱くようになった」という。マクダーモット氏はブログで、バフェット氏が12年に「世界中のどこよりも日本に投資したい」と語っていたと明かした。
これだけでは足りないという人は、日本の国際的な立ち位置にも注目すべきだ。日本は自由貿易と公正な司法を掲げる戦略的に重要な国家。今や貴重な一国とも言える。
バフェット氏はまた、日本銀行の追加利上げといったマクロ経済的な要因があっても、日本投資を続ける意向を示している。参考にしたいところだ。
違いを受け入れよう
「彼らには私たちと異なる習慣がある。日本ではコカ・コーラ製品の中で『ジョージア』が一番人気だ。私は彼らを『チェリーコーク』好きには変えられなかったし、彼らも私をジョージアコーヒー好きには変えられない。でも、それでいい。完璧な関係だ」
ジョージアは日本全国の自動販売機やコンビニエンスストアで販売されている缶コーヒーのブランドだ。一方、チェリーコークは日本ではごくまれにしか見かけない。バフェット氏が示唆する通り、人それぞれだ。
日本を知らずに日本に対して不満を抱く多くの人々とは異なり、バフェット氏は日本が独自の文化を持つ国であり、こうした違いこそが日本という国とその企業を魅力的にしていることを理解している。
大手日本企業の成功は、独自性があるからこそ成し遂げられたものであり、それが妨げになったわけではない。例えばトヨタ自動車は投資家が求めた電気自動車(EV)への全面移行に抗い、ハイブリッド車を重視することで5年連続で世界販売トップの自動車メーカーとなった。