バフェット氏は「会社四季報」を読み込んでいた、仕事机の上には英語版の会社四季報「ジャパン・カンパニー・ハンドブック」が

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任天堂もまた、自社製ハードウエアをやめモバイルゲームに注力すべきだとの圧力を退けた。結果、家庭用ゲーム機「スイッチ」で大成功を収め、株価は上場来高値に近い水準だ。

これらの企業は株主最優先ではないかもしれないが、長期視点の投資家に報いてくれる持続可能なブランドを築いている。

短期間での変化を求めるな

「彼らが築き上げてきたものを変えるつもりは一切ない。大成功しているからだ。われわれの主な役割は、ただ応援して拍手を送ることだ」

日本市場では長期的な視点が不可欠だ。バークシャーのように数十年単位でみる必要はないとしても、急速な変化を期待すれば、失望するだけだ。バフェット氏に続きたいのであれば、優れた経営陣を見つけて、指図するのではなく、「応援して拍手」することが肝心だ。

日本は外部の株主の声を受け入れつつあるが、短期的な利益を狙って経営陣と対立するのではなく、長期的に共に歩む投資家こそ成功しやすい。

例えば、サード・ポイントのダン・ローブ氏が13年に保有していたソニーグループの株式7%をそのまま持ち続けていたなら、その価値は何もしなくても11億ドルから100億ドル超に膨らんでいた可能性がある。

外国人投資家は日本に投資機会があることを世界に発信できる。こうした海外へのアピールは、日本企業の取締役会が苦手とする分野だ。バークシャーが投資するまで、日本の商社に注目する投資家はほとんどいなかった。

日本への投資には覚悟がいる。それでもバフェット氏のように会社四季報のページを丁寧にめくるような投資家には最終的に、大きな見返りをもたらす。

(リーディー・ガロウド氏はブルームバーグ・オピニオンのコラムニストで、日本と韓国、北朝鮮を担当しています。以前は北アジアのブレーキングニュースチームを率い、東京支局の副支局長でした。このコラムの内容は必ずしも編集部やブルームバーグ・エル・ピー、オーナーらの意見を反映するものではありません)

著者:コラムニスト:リーディー・ガロウド

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