「ネズミの死骸入り味噌汁か。会社潰れるんじゃ?」→「軽微なダメージでした」 すき家「ネズミ混入でも影響小」が示す”残酷な現実”

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かねて指摘されていることだが、すき家はSNSユーザーと相性がよく、ネット受けがいい店だった。牛丼チェーンの中でも商品が安く、「庶民の味方」的に思われているところもあるのだろう。

今回の「ネズミソ汁」騒動時にも、全店舗営業停止や24時間営業廃止を決めたときには「すき家の英断を支持したい。すき家を応援したい」といった書き込みも散見された。中には「営業が再開されたら、応援しに行きたい」なんて投稿もあった。

そもそもの対応がしっかりしていれば今回のような騒動は起きていなかったが、事件発覚後の思い切った決断に好感を覚える人も多かったのだろう。

すき家の好感度の高さは、今回の事件時に思わぬことも引き起こした。記憶に新しい人もいるかもしれないが、SNS上では「すき家は嵌められたのだ!」というすき家擁護の陰謀論が登場したのだ。曰く「あんなに大きいネズミが入っていて気づかないなんてあり得ない。これは誰かがすき家を貶めるために行ったワナなのだ……」という。

中には「すき家は全店国産米を使っていて、それをよく思わない層が引き起こした事件なのだ」という派生ストーリーも生まれた。無論、真偽不明の「陰謀論」だが、それほどまでに潜在的にすき家を擁護したい層がいるということだ。いわば「ヘビーユーザー層」が根強くおり、すき家の売り上げを支えているのである。

インフラ化するすき家

このようなポジティブな理由がある一方、私としてはネガティブな理由もあると思う。

それが「すき家しか行く場所がない」ということ。

言わずもがなだが、ここ最近のインフレ傾向で、牛丼のライバルになりうる外食チェーンでも値上げが相次いでいる。チェーンであっても一回の食事で1000円を越してしまう例も多く、相対的にまだ500円以下で食べることのできる牛丼チェーンに人が集まっているのかもしれない。

ちなみにこの記事執筆時点での牛丼チェーンの牛丼並の値段は、

すき家 480円
吉野家 498円
松屋  460円

で、すべてワンコインでおさまる価格。インフレ下の強い味方であることは間違いない。

こうした中、ある意味「庶民のインフラ」となっているのが牛丼チェーンなのだ。ただ、そこには「仕方なく」という側面があることも見逃せない。

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