トランプ関税ショック後の日本株の急反発はいったん終了、今は「次の上昇」に備えるときだ
ただし、先週末の9日はオプションSQ(特別清算指数)算出日だったが、この日の日経平均のSQは3万7572円13銭となった一方、現物指数の高値は3万7557円41銭となり、わずかだがSQ値に届かず、「幻のSQ」となった。
トランプ関税の前半相場における売り方ファンドの手じまい(カラ売りの買い戻し)、すなわち買い一巡のサイン「バイイングクライマックス」だったともいえ、12日以降の相場は、押し目を入れる確率が高い。
しかも、FTSE100の16連連騰、日本でもTOPIX(東証株価指数)の7年7カ月ぶりの11連騰や、日経平均も7連騰の2610円高後に51円だけ下げて、続く2日で723円高は、強気の筆者でもさすがに「短期的には過熱」と言わざるをえない。
さらに、筆者が常に注視する移動平均線との関係からみても、日経平均の25日移動平均線からの乖離率+7.76%は、「いったん売り」のシグナルだ。また下向きの200日移動平均線が位置する3万7938円に対し、一時は-50%超の下方乖離から、9日には3万7503円(-1.15%)まで戻ったが、有名なグランビルの法則によれば「戻りは下向きの移動平均線まで」であり、200日線が位置する3万7938円までの水準は、すぐそこだ。
相場はまだ終わっていない
さて、今回も株価中心のアプローチになってしまったが、今週(12~17日)も、企業決算や経済指標のイベントが多数あり、気を抜くタイミングではない。
まず決算だが、日付順に主な注目企業をあげてみると、マツダ、スズキ、三菱地所、大成建設、大林組、三越伊勢丹ホールディングス、住友電気工業、フジクラ、ローム、日産自動車、ホンダ、りそなHD、住友不動産、ソニーグループ、京セラ、いすゞ自動車、SUBARU、三井住友FG、三菱UFJFG、みずほFGというように、メガバンク、ゼネコン、自動車の大所がまだ残っている。日経平均予想EPS(1株当たり利益)が2411円と低調な中でもあり、しっかり確認したい。
また、国内指標では13日(火)の4月マネーストックM3(市中に出回っている資金量)が注目だ。昨年4月からの平残は1600兆円台の高水準を保っているが、今4月現在でこの水準を維持できているか。
一方、14日(水)の4月の企業物価指数、15日(木)の財務省ベース及び東証ベースの外国人動向、16日(金)の1~3月期GDP速報値も重要だ。
さらに、海外では13日(火)のアメリカ4月のCPI(消費者物価指数)、15日(木)の同PPI(生産者物価指数)は上昇するか。同日発表される同4月小売売上高の伸びは鈍化するか、同4月鉱工業生産はどうか、などと重要指標の発表が続く。
もちろん、「いったん売りのシグナルが出た」からと言っても、相場はここで終わったわけではない。国内では少し前までは「ありえない」と思っていた消費税減税についても、7月の参議院選挙を前に、どうやらテーブルに乗って来たようで、与野党の「人気取りゲーム」が株価に反映されるのはこれからだ。
(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)
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