「世界一物価が高い国」スイスの鉄道旅行攻略法 「トラベルパス」で2週間以上滞在がベストだが…
このパスはスイス国内の公共交通すべてに有効といってよく、日本でいえば、地下鉄沿線の宿に宿泊、地下鉄を利用して東京駅へ、新幹線に乗って大阪へ、大阪の私鉄や路線バスを利用、これらすべてがパスの範囲といった感覚である。
これなら1日当たりの交通費が5000円を超えても納得であった。スイス観光は、交通機関を使ってアルプスの山や湖を楽しむというものなので、鉄道ファンでなくてもスイスでは鉄道をよく利用することになり、このパスがお得に思える。
ストレスを感じない鉄道運営
こうして楽しんだスイス鉄道の旅は、ご機嫌なものであった。その理由を列挙すると、
*景色が見やすいように窓が大きい。私鉄の景勝路線では新車でも窓が開く
*ごく一部の観光列車を除いて全車指定の列車がないので指定席券がほぼ不要
*インターシティの多くは食堂車かビュッフェ車連結
*列車内にはゴミ箱設置、長距離列車は各座席のテーブル下にもゴミ箱がある
*ローカル線でも1時間に一本運転、長距離列車は編成が長く、混雑もそこそこ
*古い車両が動態保存されていた(乗車はしていないが)
指定席のシステムは利用者本位にできていて、日本のように1~3号車が自由席、4~10号車が指定席というものではない。仮に定員500人の列車だったとし、500人が指定席を求めれば全席が指定された席となり、指定席券を持たない客は座れなくなるし(実際にはそんな列車に遭遇したことはないが)、誰も指定席を買わなければ全席が自由席となる。私の体験ではほとんどの列車が後者に近い状態であった。本数が多く編成も長いので座れないほどの混雑はなさそうである。これは一等車においても同様である。「指定席と自由席の比率は利用者の利用実態が決めている」という部分が気持ちいい。
ゴミ箱はホームや駅構内、街中至る所にあり、ゴミ箱の撤去が進んでしまった日本は旅行者に不便ではないかと感じる。
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