「世界一物価が高い国」スイスの鉄道旅行攻略法 「トラベルパス」で2週間以上滞在がベストだが…
2週間ほど滞在したが、チューリッヒ以外には宿泊しなかった。アルプスの観光地などはさらに物価が高いのと、食料を持参したので、荷物を持っての移動を避けるためである。チューリッヒを拠点に、来る日も来る日もスイス国内を日帰りで楽しんだのである。
筆者はスイス4回目で、最初は1980年代の1スイスフラン100円時代、それが1990年代や2000年代に行ったときは80円台、あるいは90円台だったが、現在は170~180円もする。何とも円安が恨めしい。
こんなスイスであるが、近年は、スイスから日本を訪れる観光客が増え、日本での体験を踏まえてそうなったのか、スイスのスーパーマーケットの多くに日本風のお弁当やおにぎりがたくさん売られるようになっていた。日本人観光客用ではなく、現地にこれらが浸透してきたのである。しかし、現在の為替レートだとお弁当は2000円以上、おにぎりは700円ほどになる。それでも現地では学校帰りの学生がおやつ的にこれら日本食を楽しんでいる光景を何度か見た。かつての1スイスフラン100円であれば、「高いな~」くらいの感覚なのだが、現在の為替レートでは「とてもとても」という雰囲気である。ただ、現地の人はその値段で納得しているわけで、やはり為替レートが適切ではないと感じる。
お土産も購入しない
もともと物価の高い国なので、ホテルに泊まってレストランで食事をし、ケーブルカーやロープウェイに乗ってアルプスの山々を観光、お土産などを購入すると、かなりの出費になるだろう。筆者は今回、入場料などの必要な観光施設に入ったのは、チューリッヒ国際空港の展望デッキのみ、お土産類も一切購入しなかった。家族旅行などではそうもいかないであろうから、あくまで高齢男性の鉄道旅に特化した場合の話であるが、今どきのスイス旅は、山歩き、風景を楽しむなど、何かに特化しないとリーズナブルな旅は不可能である。
交通費もその都度切符を買ったのでは高額である。そこで「スイストラベルパス」を利用した。スイス連邦鉄道(以下スイス国鉄)、ほとんどの私鉄、路面電車、路線バス、定期船まで乗り放題になり、一部の登山鉄道、ケーブルカー、ロープウェイは乗り放題ではなく割引扱いになる。このパスを持っていても、まったく割引にならない交通機関は湖の観光船くらいであった。
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