49歳で出版した本がベストセラーに!《アメリカで一番有名な料理家》に学ぶ「自分らしく生きる第2の人生」
それまで夢見ていたどんな言葉よりも、あたたかくて心強かった――。ジュリアは呆気にとられながらも、しみじみそう感じました。
この700ページ以上にもおよぶ大作となった『フランス料理という芸術の習得』は1961年9月に発刊されると、たちまちベストセラーとなります。ジュリアは49歳になっていました。
本の書評が『ニューヨーク・タイムズ』で掲載されるやいなや、ジュリアが朝のテレビ番組「トゥデイ」に出演することになるなど、取り巻く状況が大きく変わるなかで、料理番組の出演依頼まで舞い込んできました。
40代で執筆に打ち込んだジュリアは、50代でテレビを舞台に大活躍することになります。それができたのは、いつも好きなことに全力で取り組んできたからにほかなりません。
その反響は大きく、『フランス料理という芸術の習得』は発刊して3年で6刷目に突入。そしてテレビ番組『ザ・フレンチ・シェフ』は本格的に放送が始まってから1年後には、ロサンゼルスからニューヨークまで50都市以上の公共テレビで観られるようになりました。
希望と絶望に揺れながらも自分の道を突き進もう
激動の中年期を過ごしたジュリア。その40~50代をみると、小説家・太宰治の次の言葉を思い出さずにはいられません。
「人間は、しばしば希望にあざむかれるが、しかし、また<絶望>という観念にも同様にあざむかれることがある」
希望と同じく、絶望もまた打ち砕かれます。どんなときも諦めずに、自分の道を突き進んでいきましょう。
ジュリア・チャイルドに学ぶ大器晩成のヒント
◉興味関心を持ったときが適齢期。挑戦に遅すぎることはない。
◉人との縁を大切にすれば、打開策は思わぬ方向からやってくる。
◉希望も絶望も、あてにならないのが人生だ。
『大器晩成列伝 遅咲きの人生には共通点があった!』(真山知幸著/ディスカヴァー・トゥエンティワン)では、ジュリア・チャイルドのように「挫折をへて50代で道を切り拓いた偉人たち」のほか、「50代以降から新たな挑戦を始めた偉人たち」「50代以降に花開いた偉人たち」「50代以降に新ジャンルに挑んだ偉人たち」など、中年期でのキャリア形成のタイプ別に、数多くの人物を取り上げています。
遅咲きの偉人たちには、どんな考え方が共通していたのか。明日から実践できるポイントをまとめた『大器晩成列伝』。人生の後半をより自分らしく生きるための一助になる一冊となりました。ぜひご一読ください。
【参考文献】
ジュリア・チャイルド著、アレックス・プルドーム著、野口深雪訳『いつだってボナペティ! 料理家ジュリア・チャイルド自伝』(中央公論新社)
真山知幸著『大器晩成列伝』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
太宰治著『パンドラの匣』(新潮文庫)
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