危機的状況のJR加古川線「観光路線」になれるか 赤字ローカル線だが大阪・関西万博に合わせ増発
西脇市でタクシーに乗って、運転手に加古川線に乗ることがあるか聞いてみると「高校生が乗る電車」とのことだった。地元の高校生は日曜日でも部活動などで通学するために使っているようだ。
ただ、地元の大人は多くが自動車を使う。通院するお年寄りはバスを使うことが多いという。新快速の増発などJR神戸線の利便性が改善すれば、加古川線の需要増につながるが、それも厄神―加古川が大勢だ。
全線で採算が確保できるほど乗客を増やすには、観光客を増やすしかない、という見方で地元やJRが一致。そこで注目したのが大阪・関西万博というわけだ。
沿線に「万博会場外のパビリオン」も
おりしも兵庫県が大阪・関西万博をめがけて、3年前から「ひょうごフィールドパビリオン」という取り組みを進めていたことがある。
県内各地の地場産業や農業など数あるSDGs(国連の持続的な開発目標)に関わる取り組みを、万博の会場外にあるパビリオンに見立てて、観光客を取り込もうとする施策だ。
加古川線の沿線でも西脇市の特産品である播州織の工場や、統計135度と北緯35度が交差する「日本へそ公園」の案内ツアーなどが名乗りを挙げ、兵庫県が「ひょうごフィールドパビリオン」に認定した。この一環として北条線を引き継いだ北条鉄道では「気動車運転体験」も開催する。

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