北陸新幹線開業で浮き彫りになる新潟の苦悩 連携構築しづらい「大きな1人っ子」

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新設された特急「しらゆき」(上越妙高駅で)

2011年に新潟県が公表した資料によれば、上越地域と中越・下越地域を鉄道で移動する人は年間約200万人に達する。高速バスも走っているとはいえ、地元の暮らしや経済には大きな影響が及んでいる可能性が高い。新潟市に本社があり、上越市直江津地区に出先を置く会社の役員は「移動の手段が限定され、手持ちぶさたな時間が増えた」と苦笑する。日本海を縦断する形で移動する旅行者らにも、この利便性低下は不評だ。

一方、長谷川氏が指摘した「割引切符の廃止」のうち、特に大きな波紋を広げたのは、新潟-長岡間に往復3000円で設定されていた「Sきっぷ」だった。北陸新幹線開業に合わせて2枚つづりの回数券「Wきっぷ」が発売されたが、料金は往復4200円と4割もの値上げになった。

このほか、新潟-糸魚川間や新潟-直江津・新井間など、新潟市と上越地域の間に設定されていた割引切符も軒並み、より高価な商品に切り替わり、中距離区間の実勢運賃が広範囲で上昇してしまった。並行在来線の第三セクター・えちごトキめき鉄道は大幅な値上げに至らなかったものの、県民の暮らしの負担は増大した。

「2014年問題」克服目指す

北陸新幹線開業の余波は、上越新幹線のダイヤ本体にも及んだ。東京-新潟間の速達タイプ列車「とき」が27往復から26往復に、北陸方面への輸送を担っていた各駅停車タイプの「たにがわ」は東京-越後湯沢間の16往復が9往復に減便された。ただ、「たにがわ」の減便は必至だっただけに、ダイヤ発表当初、地元では「とき」が1往復減にとどまったことへの安堵感も広がった。

「しかし、時刻表を詳しく調べたら、所要時間は上りも下りも平均で2分ほど長くなった。つまり東京が遠くなってしまった。減便された、たにがわの代わりに熊谷や高崎、上毛高原に停車するときが増えたことが原因。中には所要時間が短くなった便もあるが、北海道新幹線の開業後には、上越新幹線の減便や、ときのたにがわ化が進むのでは」。地方自治や交通問題に詳しい新潟大学法学部教授の田村秀氏は危惧する。

もっとも、「とき」の停車駅増加は、見方を変えれば、上越新幹線の沿線各駅から新潟駅への利便性向上という側面も持つ。東京・首都圏との所要時間や列車本数、そして停車駅の変化が今後、新潟市や上越新幹線沿線にどんな影響を及ぼしていくのか。さまざまな変化を見いだすには、多様な角度からの継続的な検証が欠かせない。

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