<独自>名誉会長が東京本店ビル5階の邸宅に居住するナカノフドー建設、アクティビストが「利益供与」を疑う理由とは?

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実はこのビル、1〜4階はナカノフドーが使用しているものの、5階は大島義和名誉会長(84)が自宅として居住している。しつらいは実に豪華で、4階の上に位置するバルコニーには大きなテラスにプールまである。

大島名誉会長はナカノフドーの創業家出身。2004年に社長の座を譲り名誉会長となった後も2023年6月まで取締役だった。

「資産価値としては100億円は下らない」(不動産関係者)と見られるビルは、1987年当時、前身の中野組で社主だった大島名誉会長の主導で建設された。バブル崩壊後、会社側が1〜4階の区分所有権を取得した。

ただ、4階の上部分や通用口からの動線部分は、名誉会長ら居住者の利便性を最優先した構造になっている。会社側は異なる見解を示すが、関係者によれば、大島名誉会長はこうした部分の使用に関する「数億円規模」の費用を一切支払っていないという。

これにアクティビスト(物言う株主)がかみつき、6月にも予定されている定時株主総会で定款変更などを諮るよう求める株主提案を行っていたことが東洋経済の取材でわかった。

大島名誉会長は第3位株主

株主提案したのは、香港の投資ファンドであるリム・アドバイザーズ系列のリムジャパンイベントマスターファンド。リムは昨年9月時点でナカノフドー株を4%保有していることが開示資料で確認できる。

関係者によればリムは、大島名誉会長がナカノフドーの第3位の株主であることに着目。会社が株主の権利行使に関して財産上の利益を供与することを禁じる会社法120条第1項を引き合いに出し、大島名誉会長に対する行為はこの利益供与に該当する疑いがあると主張しているという。

リムの株主提案では大きく6つの要求を突き付けているようだ。その内容は、東洋経済オンライン有料版にて詳報する。

詳報記事はこちら

田島 靖久 東洋経済 記者

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たじま やすひさ / Yasuhisa Tajima

週刊東洋経済副編集長。大学卒業後、放送局に入社。記者として事件取材を担当後、出版社に入社。経済誌で流通、商社、銀行、不動産などを担当する傍ら特集制作に携わる。2020年11月に東洋経済新報社に入社、週刊東洋経済副編集長、報道部長を経て23年4月から現職。『セブン&アイ 解体へのカウントダウン』が小社より24年12月発売。

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