東武SL大樹、プロしか知らない「毎日運行」の裏側 転車台でファン獲得、24時間「火」は消さない

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実際、その日は運転しないという機関車の運転台に入らせてもらうと、保火だけだというのにムワっとする熱気を感じる。

火を絶やさないということは、もちろん夜中も誰かが火の番をしているということだ。その担当者は「保火番」と呼ばれ、機関区の職員が交代で担当している。このあたり、車庫に入れてパンタグラフを降ろしたら終わりの電車とは大違い、である。

「実は、最近では保火の火種として石炭だけではなくおがくずを固めたバイオ燃料も使っているんです。営業運転に使えるほどの火力は出ませんが、保火ならば充分ですからね」(大谷車両科長)

再び転車台に載って出発

と、意外なエコへの取り組みも聞いたところで、そろそろ午後の運行に向けた出発時間が近づいてくる。午前の運行を終えて機関車と客車は切り離されているから、再び連結してホームに入線しなければならない。

つまり、ここでも入れ替えが発生するというわけだ。機関庫を出た機関車は転車台に載り、少しだけ回転して今度は留置線の下り方に向かい、客車の先頭に連結する。

その後、機関車から客車へのブレーキホースもしっかり連結されているかを職員がていねいに確認。万が一運行中に連結が外れたりブレーキが利かなかったりしては一大事。複数の職員によって、確実な確認作業が行われている。もちろん、こうした作業の様子もSL広場から眺めることができるのだ。

ゆっくりと機関庫を出て午後の運行へ(撮影:鼠入昌史)
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