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トランプ政権の「ロシア寄り」ウクライナ和平案の背後にいるキーパーソンたち、周辺にうごめく側近・特使たちの素顔

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  • 吉田 成之 新聞通信調査会理事、共同通信ロシア・東欧ファイル編集長
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その連結役は、アメリカの中東担当特使でありながら、ウクライナ和平をめぐりプーチン政権との間でも事実上の特使を務めるスティーブ・ウィットコフ氏と、ロシア側のカウンターパートであるロシア直接投資基金のキリル・ドミトリエフ総裁だ。

ウィットコフ氏はニューヨークの大物不動産業者で外交経験はないが、トランプ氏の長年の友人だ。事実上、アメリカ政府ではなくトランプ氏個人の特使と言える。

一方のドミトリエフ氏も外交の経験はないが、妻がプーチン氏の次女カテリーナ・チホノワ氏とは親しく、家族ぐるみの付き合いをしている。このため、ドミトリエフ氏は「プーチン家の特使」と言われている。

アメリカ・ロシアの特使

つまり、ウィットコフ氏とドミトリエフ氏は両国外交当局にしばられることなく、両大統領のために秘密の交渉をしていると言われている。

ハーバード大学を出ているドミトリエフ氏は、アメリカとのビジネスにも精通している。クレムリンの内部情報に詳しい人物によると、ウィットコフ氏に対しドミトリエフ氏は、プーチン氏からの提案としてある大掛かりな事業を提案したという。

ロシアの天然ガスをアメリカ企業がサンクトペテルブルク市場で安い国内価格で買い入れ、これを欧州市場でより高い国際価格で売るというスキームだという。

アメリカ企業側は通常のガス取引より、大幅に高い利益を得ることができる。これが事実であれば、経済的利益でウィットコフ氏を抱き込むためのプーチン氏による事実上の買収工作と言えるだろう。

ロシアとウクライナ間の和平交渉に詳しい外交筋は、このスキームかどうかは別として、元KGBスパイのプーチン氏が何らかの経済的利益でウィットコフ氏の籠絡を図ることは十分ありうると指摘する。

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