ティール氏が明かしたところによると、グローバリゼーション経済やリベラリズムへの批判で一致。さらに人種差別反対、LGBT運動への支持など社会の不公正や不正義を告発する運動を表すキーワードになっていった近年のWOKE文化(日本風に言えば、意識高い系)を否定する意見を共有したという。
ドゥーギン氏は、伝統的価値観を踏まえた「保守革命」を掲げている。番組の中で第2期トランプ政権誕生の意義について「いわゆる西側は分裂した。トランプの敵はわれわれの敵だ。アメリカの国防総省、中央情報局(CIA)、国際開発局(USAID)はわれわれの敵だ」と述べて、トランプ氏が国際情勢に歴史的変化をもたらしたと歓迎した。これらの政府省庁に対してトランプ政権は政治的介入を進めている。
トランプ政権の路線とほぼ同じ
つまり、ドゥーギン氏の政治的主張は、全体として現在トランプ氏が進めている政治路線とほぼ軌を一にするものだ。その意味で「トランプのイデオローグはあなただ」という冒頭の言葉は、誇張ではあるが、比喩的表現という意味では間違いではないと言える。
ドゥーギン氏は長年、西側のリベラル民主主義は行き詰まっていて、道徳的にも破綻していると主張している。彼は1991年の旧ソ連崩壊後、同じ主張を繰り返している。米英などから2000年代から制裁を受けている人物だ。
同時に、ドゥーギン氏は対ウクライナ関係で過激な主張や行動をしてきた問題人物である。2014年3月の南部クリミア半島へのプーチン政権による一方的併合直後、当時モスクワ大学の国際関係の教授だった同氏は学内での講演で「ウクライナ人を殺せ」と連呼。このため大学側から解雇された。
同氏は2022年2月末のウクライナ侵攻前、極右派ネットテレビ「ツァーリグラド」のサイト上で「ウクライナなしにロシアは帝国になり得ない」と侵攻の必要性を主張。侵攻開始後は「この危機的時期に特別軍事作戦開始を決定した。これは理にかなった論理的な一歩だ」とプーチン氏の決断を熱烈に讃えた。
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