【アメリカで売れ筋、日本未発売モデル試乗記】ホンダ電動化戦略の序章となる新型電動SUV「プロローグ」に乗って感じた期待と不安

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充電中はメーターにバッテリー残量と充電の進行具合を表示
充電中はメーターにバッテリー残量と充電の進行具合を表示(写真:平野 陽)

充電ステーションの利用と決済は、アメリカに住んでいる人であればスマートフォンにインストールしたアプリで行うのが便利。サブスクの料金を払っていれば、都度の充電料金には割引が受けられる。だが、筆者は海外から訪れたビジターのためアプリをダウンロードすることもできなければ、アカウントを登録することも叶わなかった。

ということで、充電ステーションに備わる端末でクレジット決済が可能な「Electrify America(エレクトリファイ・アメリカ)」と「EVgo(イーブイ・ゴー)」の2社が提供する充電ステーションを利用したわけだが、実質的にはステーションの数がより充実しているエレクトリファイ・アメリカ一択だった。正直なところ、近くに充電ステーションがなくて難儀することも多かったのだが、2025年6月からはNACS-CCSアダプターを使用することでテスラのスーパーチャージャーも利用できるようになるそうだ。

2025年モデルは航続距離と動力性能を向上しながら価格は据え置き。EVタックスクレジットで最大7500ドルの税額控除を受けた場合、最安グレードのスタートプライスは3万9900ドルとなっている
2025年モデルは航続距離と動力性能を向上しながら価格は据え置き。EVタックスクレジットで最大7500ドルの税額控除を受けた場合、最安グレードのスタートプライスは3万9900ドルとなっている(写真:平野 陽)

また、今後はBMW、GM、ホンダ、ヒョンデ、メルセデス・ベンツ、キア、ステランティスの7社が合弁を組んだ「IONNA(イオンナ)」の充電ステーションが北米全域に拡充されていく予定。そちらもNACSとCCSのどちらの急速充電規格にも対応する。プロローグの急速充電の受け入れ最大能力は2025年モデルも150kWで変わりないが、どこで充電するかの選択肢が増えるのは朗報だ。

アメリカであれ日本であれ、その地に居住する人にとっては、EVは自宅で充電するのが基本という原則に変わりはない。ただ、今回アメリカで「街中の充電ステーションが命綱」という状況を経験したことで、EVの普及はバッテリーの進化と急速充電ネットワークの拡充が常にセットで行われていかないと難しいことを実感した。

モデルY対抗馬のプロローグの今後

GMが開発したUltium(アルティウム)バッテリーの活用はプロローグ一代で終わってしまうのか。今後もホンダのEV戦略の行方に注目が集まる
GMが開発したUltium(アルティウム)バッテリーの活用はプロローグ一代で終わってしまうのか。今後もホンダのEV戦略の行方に注目が集まる(写真:平野 陽)
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また、プロローグが現時点では大きさや扱いやすさ、価格などを鑑みたとき、非テスラの中でバランスが取れた選択肢であることも確認できた。今はEVが普及する過渡期の踊り場とも表現されるが、今後もホンダがプロローグのような現実味のある選択肢を継続してラインナップしていけるかどうかに注目したい。

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小林 秀雄 ライター

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こばやしひでお / Hideo Kobayashi

自動車専門誌の編集プロダクション勤務を経て、ライターとして独立。主に自動車雑誌やWebサイトで記事を執筆している。

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