
人気回転寿司店の夜、洗い場にはフルスピードが要求される
ふと、張り紙が目に付いた。
「仕事を頼まれたら、元気良く『あいよ!』と返事しましょう」
なるほど、そう返事しよう。
「お願いしまーす!」
「あいよっ!」
そう言いながら、ガシガシと洗浄していく。
なんて楽しいのだろう。声出しというのは、仕事にハリを出してくれる。
閉店1時間前になった頃、厨房からバットやホテルパン、あら汁を煮込んだ鍋、シャリロボのパーツ類、まな板、巨大計量カップなどがドカドカと届き始める。
「洗い場は終盤が一番忙しいんだよ」
サービスエリアの調理人さんから言われた言葉が頭に飛来する。
ラストオーダーの時間となり、返却口もドバっと大量の食器類が積み重ねられる。これはまずいな、片付かないな……と思っていたところ、
「時間なんで上がってください~!」
との声が聞こえた。洗い場作業がクライマックスの時にタイミーの終了時間となり、後ろ髪を引かれる思いで洗い場を後にした。
人気のある回転寿司店の夜は、洗い場にもかなりのスピードが求められる。自分がその場で手を動かし、お店のサイクルの一端を担うことができたのが嬉しい。
でも、もっと速く動きたい、もっとスムーズに動きたい。
もう一度ここに入ったら、今回よりも動けるはずだ。
そんなことを考えながら、心地良い疲れと共にお店を後にした。
この日の労働では、時給1017円の3.5時間、交通費100円で、3660円が支給された。

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