姉「私が実家をもらうから」宣言で姉妹に亀裂! 相続は「兄弟姉妹」関係を破綻させる一大リスク 親の「遺言書」はトラブル回避のための愛だ

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普段は表面上うまく付き合っていても、相続時になると、お金が絡むだけに、本性があらわになる可能性は高いのです。

妻の姉が「親の家に住む」宣言

じつは、私の妻の身にも降りかかりました。

2022年に義父が亡くなり、翌年、義母が老人ホームに入居すると、妻の姉が「私、親の家に住むから」と、宣言したのです。つまり、家を相続するというのです。

親の財産を相続する際は、遺言書があれば、その内容に従うことになりますが、遺言書がない場合は「法定相続分による相続」か「遺産分割協議による相続」のいずれかを選択することになります。義父も義母も遺言書は作っていませんでした。

法定相続分による相続の場合、子ども2人の場合で、2分の1ずつということになります。ここで問題となるのが「不動産」です。

義理の両親は蓄えがほぼゼロだったため、義姉が不動産を相続するのであれば、何らかの形で、妻に2分の1の財産を渡す必要があるのです。

あるいは、遺産分割協議による相続を選択した場合は、相続人同士で話し合って「姉は〇〇を相続、妹は××を相続」と、相続の詳細を決める必要があります。

妻は「2分の1はいらない。でも、気持ちぐらいは……」と言っています。そうなると、遺産分割協議書による相続が現実的ですが、義姉は「家は分割できないんだから、仕方がないじゃない」というスタンス。そもそも相続のルールを知らない可能性もあります。

相続解決支援機構が男女107人(20代~70代)に行った調査(2023年10月)によると、相続トラブルの原因の1位は「不動産相続」で、全体の44%を占めています。私の妻に降りかかっている問題は、決して珍しいことではないのです。

では、こうした相続トラブルを回避するには、どうしたらいいのでしょうか。

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