アメリカ上場の中国企業の「回帰先」に香港が意欲 米中対立激化による「上場廃止リスク」に備え

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香港政府はアメリカに上場する中国企業の本国回帰の流れが強まると読む。写真は財政予算案を発表する陳茂波・財政官(香港政府のウェブサイトより)

「最新の世界情勢の変化をふまえ、私は香港証券先物委員会と香港証券取引所に対し、海外に上場する中国企業が(本国市場への)回帰を希望する場合に香港が最優先の上場先に選ばれるよう、万全の備えを指示した」

香港政府の陳茂波(ポール・チャン)財政官(財務大臣に相当)は4月13日、公式ウェブサイトのブログ記事を通じてそう明らかにした。

陳財政官の指示は、アメリカのスコット・ベッセント財務長官が4月9日、アメリカの証券市場から中国企業を排除する可能性について否定しないと受け取れる発言をしたことへの対応とみられている。

380社余りがアメリカに上場

アメリカの証券市場には380社余りの中国企業が上場しており、時価総額は合計9000億ドル(約129兆1200億円)を超える。

これらの中国企業が香港証券取引所への上場を目指す場合、アメリカでの上場を廃止して香港に上場し直す方法と、アメリカ上場を維持したまま香港にも上場する方法があり、後者はさらに重複上場(デュアル・リスティング)と2次上場(セカンダリー・リスティング)の2種類に分かれる。

(訳注:重複上場の場合は、香港の上場審査基準に則った手続きを改めて踏む必要がある。それに対し、2次上場では簡素化された手続きが認められるが、適用される規制や取引条件などに制約もある)

「香港はすでに、海外に上場する企業が香港証券取引所に重複上場や2次上場しやすくするための規制の枠組みを整えた」。上述のブログの中で、陳財政官はそう強調した。

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