ネットとリアルをつなぐGoogleの戦略・担当者に聞く[後編]《O2Oビジネス最前線・黎明期を迎えた新・消費革命》

--O2Oのブームをどう思いますか。

個人的にはすごくいいことだと思う。われわれはローカルショッピングを始めて本当に苦労している。誤解が生じないように言いたいが、オフラインの企業やお店の方々はネット企業とは文化も違うし、理解していただくのに時間がかかる。それはGoogleだけでない。どのネット企業でも共通の課題。
　
　われわれが最初に提携した企業は比較的ネットのリテラシーが高かったが、多くの企業は簡単ではない。ネット業界みんなで取り組んで、新しいことをやっていこうという意識をつくろう、盛り上げていこうという、こういった流れは大事。O2Oはその契機になる。

ローカルショッピングやGoogleにとっても、この流れはプラス。今は、競争とかを考えている段階ではない。業界みんなで、こういう新しい領域をつくっていく段階だと思う。なるべく多くのネット企業がリアル領域の企業やお店と話し合って、いろんな新しいサービスを始めてほしい。すごくいい動きだ。そうなれば、さらに付加価値を足していける。

--O2Oはもっと話題になっていくでしょうか。

今は、目新しいので話題になっている。到達したいところは、O2Oが当たり前になり話題にもならないような世界。そこまで行くのは大変だ。だから、今は話題になって、リアルの企業、お店の方々もそういう時代だと思ってくれたらありがたい。彼らが積極的にならなければ、と思ってくれたら最高だ。

（ITアナリスト・松浦由美子　撮影：吉野純治　＝東洋経済オンライン）