「もしルルとララが新宿でスナックを始めたら?」、作者・あんびるやすこさんが妄想する「大人になった」主人公の物語

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2人で新宿のゴールデン街でスナックをやっていて、悩みを持った人が来たり、そのお客さんとルルがちょっといい感じになったりとか(笑)、あったらおもしろいですね。

森の動物たちの代わりに疲れたOLが来て、悩みに答えてあげて。焼き鳥を焼きながら歌ってもいいですよね。

あんびるやすこさんの手作り料理の数々
あんびるやすこさんの手作り料理の数々(写真:岩崎書店)

自分でも、一日ママのようなことをやってみたいと思ったことがあるんです。自宅でご飯を作って、編集の人たちを呼んで食べたり飲んだりするのが好きですね。お酒が入るといろんなお話が聞けておもしろいです。

おいしいって言ってもらえるのも嬉しいですし、みんなが何か語り合っているのを見るだけで楽しいです。

大人も現実世界から逃避したいときがある

大人向けに何か作品を一話書くとしたら、社会に出て思っていたのと違うと感じている若い女の子が、相談に来るのがいいんじゃないかな。何かの気づきを得て、気持ちを立て直していくような物語です。

それから、自分はもっと世の中の役に立てると思ったのに、役立っている実感が持てないと思う子がやってくるかもしれませんね。

悩みを抱える子がいくつかの出会いを経て、物の見方が少し変わって、自分なりのスタンスで世の中に接することが大事だって気づいていく。そんな物語を書いてみたいとは思います。

最近、私のサイン会に来て、私の前でさめざめ泣くお嬢さんたちがいるんです。大抵は就活に疲れていて、かわいそうになります。

夢を持って、あなたらしくていいって育てられてきたのに、大人になったら、いろんな企業から君はいらないって言われるわけでしょ。そりゃつらいですよね。

「私は必要のない人間なんじゃないか、って思えてくる」という話を聞くと、私も胸が痛くなります。

あなたを必要としている場所がそこではなかっただけ。あなたをまっている場所が別にあるのよ、というふうに話したりはするんですけれど……。

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