雇用延長時こそ、厳選採用で「60歳就活」へ環境整備を

 

これでは、厚生年金の受給開始年齢引き上げという政治的・社会的課題解決を企業だけに負わせるものといわざるをえない。これに対し、厚労省は13年以降も経過措置として報酬部分が受け取れる年齢の社員に対しては、選別を認めるとしている。

しかし、今国会では見送られたが、今後、支給開始年齢はさらに68歳程度まで引き上げられる可能性が高い。「継続雇用の年限も同様に引き上げられる」(みずほ総合研究所・堀江奈保子上席主任研究員)であろう。

経済的負担だけではない。現状、高齢者社員は少なからず「お客さん」となっている。日本生産性本部の調査では再雇用のデメリットとして「元上司・先輩などで使いづらい」(41・2%)、「本人のモチベーションの維持が難しい」(39・9%)、「再雇用者の仕事を作り出すことが難しい」(39・2%)などが挙げられている。これでは企業における生産性や活性化にマイナスである。

健康であれば65歳まで働きたいと考えるのは至極当然だ。しかし、依然新卒者は「厳選採用」で就職率は低く、若年層の非正規比率は3割に上る。一方、高齢者が希望者全員継続雇用では、あまりにも不公平で若者の政治不信が募るばかりだ。
55歳から就活準備を

そこで提案したいのが「第2の就活」すなわち60歳からの就活だ。

「第2の就活」は多様である。もちろん、その一つの選択肢には継続雇用がある。が、「全員採用」ではなく、希望者の実績や能力評価を基に「厳選採用」すべきだ。そして、現状ほぼ一律となっている高齢者の給与にも能力・成果給を導入する。

 

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