雇用延長時こそ、厳選採用で「60歳就活」へ環境整備を

 

厚生年金は加入期間に応じて支給される「定額部分」と、現役時代の報酬に比例して支給される「報酬比例部分」に分かれている。男性の場合、定額部分は01年から13年にかけて、報酬比例部分は13年から25年にかけて段階的に支給開始年齢を引き上げていく。

よって、13年4月から厚生年金の定額部分の支給が65歳からとなるのに加え、報酬比例部分の支給開始年齢の引き上げも始まるので、13年からは一時的に「無収入・無年金」の人が出てくる。13年に60歳を迎える人は1年間無年金に耐えればいい。しかしその後、支給年齢が段階的に引き上げられ、1961年生まれ以降の男性は5年間無収入になる。よって、13年以降は前出のような、これまで4分の1いた雇用延長を希望しない「ハッピー60歳定年」の割合はぐっと下がる可能性がある。

一方、冒頭のコンサルタントは、「4分の1とされる60歳円満退職者のうち、実は“意に沿わず”退職を迫られた人が少なからずいるのではないか」とも指摘する。

よって、「希望者全員雇用継続義務化」になれば、9割以上が継続雇用を希望するという試算もある。これにより、企業の人件費負担は膨らむ。関西経済連合会では、「義務化」となった場合、改正から4年後の17年には企業負担の増額は約3・6兆円に上ると試算する。

日本経団連も義務化に反対の姿勢を鮮明にし、「これ以上、高齢者雇用を増やせば、そのシワ寄せが新卒採用など若年層に行く」と牽制する。

 

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