腕神経節は腕から入ってくる情報処理を担っている部分で、反射的な行動や自立運動なども制御している。ヒトの脊髄を想像するとよい。
神経細胞はなんと5億個以上
他の動物でも体のパーツごとに情報処理を行っている神経節があるが、タコの場合はその細胞数が圧倒的に多い。
9つの脳全体を合計すると、神経細胞は5億個以上ある。その数には先に挙げた腕の神経節を含んでいるので少々過剰評価かもしれないが、脳の細胞数だけでも1億個以上あるので、動物の中でも特に大きく、複雑な脳を持っているのは間違いない。
頭部の脳にはコブ状の葉(よう)と呼ばれる膨らみが見られ、それぞれの葉が大まかな機能を分担していると考えられる。特に垂直葉と呼ばれる部分は、知能の高さと関連している。垂直葉は破壊すると記憶ができなくなるなど、ヒトの脳との繋がりを想像させる部位である。
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吉田 真明
島根大学生物資源科学部附属生物資源教育研究センター教授
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よしだ まさあき / Masaaki Yoshida
大阪大学大学院理学研究科修了。博士(理学)。お茶の水女子大学アカデミックプロダクション日本学術振興会特別研究員PD、国立遺伝学研究所を経て、現在、島根大学生物資源科学部附属生物資源教育研究センター教授。専門は系統分類学、進化生物学。
滋野 修一
テクノプロR&D社インフォマティクス事業推進室技術員
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しげの しゅういち / Shuichi Shigeno
岡山大学自然科学研究科博士課程修了。博士(理学)。理化学研究所発生再生科学総合研究センター研究員、シカゴ大学神経性物学科助教、国立研究開発法人海洋研究開発機構研究員、ナポリ海洋研究所研究員、シカゴ大学アルゴンヌ国立研究所研究職員、大阪大学大学院医学系研究科助教を経て、現在、テクノプロR&D社インフォマティクス事業推進室技術員。専門は脳科学、進化生物学。共著に『遺伝子から解き明かす脳の不思議な世界―進化する生命の中枢の5億年』(一色出版、2018年)、監修に『深海のふしぎ 追跡! 深海生物と巨大ザメの巻』 (講談社の動く学習漫画MOVE COMICS、2016年)など。
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