東武アーバンパークライン「新旧車両」に乗り比べ 新型80000系と8000系8111編成は年齢差61歳

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東武鉄道といえば8000系のイメージが強く、長年にわたり親しまれ、機能的でシンプルなデザインは、旧型車両から車体更新された5000形や、車両長こそ違うが3000形などにも引き継がれ、8000系と同様の車体が新造され、東武鉄道沿線のどこに行っても、「同じ顔」が見られた。

1986年度からは、内装や前面形状の変更などのリニューアル工事が進められた。また、2005年度からは8両固定編成から中間車両2両を抜き、6両化された。3両固定編成に組成したワンマン対応編成800型と850型へ形式変更された車両も、ローカル線区で活躍している。

東京オリンピックの前年、東海道新幹線0系の製造初年が1963年なので、その長きにわたる8000系の活躍ぶりには、敬意を表したい。現状の8000系は、50000系シリーズの導入に伴い数を減らしつつあるが、アーバンパークラインを中心に活躍を続けている。

また、東武博物館で動態保存・保有している8111編成は1963年11月に落成。前面スタイルの更新工事が行われず、オリジナルの前面のままで高い人気を誇る。驚くべきことに、動態保存から通常の運用に2023年11月1日に復帰し、野田線で運行している。定期運用に入れるほど良好な状態だったわけだが、それだけが理由ではないだろう。60000系の5両化工事の間は運行可能な列車本数が不足してしまうため、定期運用に入れたのではないかと筆者は推測している。

新旧車両の乗り比べも

アーバンパークラインを走る車両では8000系8111編成は最も古い。力強い加速、抵抗制御車の独特の走行音が、印象的だ。乗り心地はシートがとても柔らかく、昔の車両は大体こんな感じだったなあ。という懐かしさを呼び起こしてくれる。操作中の運転士の様子を背面窓からのぞき込むと、勾配をうまく利用して、加減速しているのがわかった。

最新車両の80000系と8000系8111編成、新旧の乗り比べは、実に61歳差で、お爺さんと孫のような関係だ。好みが分かれると思うが、同じ日に乗車することをぜひお勧めしたい。

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渡部 史絵 鉄道ジャーナリスト

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わたなべ・しえ / Shie Watanabe

2006年から活動。月刊誌「鉄道ファン」や「東洋経済オンライン」の連載をはじめ、書籍や新聞・テレビやラジオ等で鉄道の有用性や魅力を発信中。著書は多数あり『鉄道写真 ここで撮ってもいいですか』(オーム社)『鉄道なんでも日本初!』(天夢人)『超! 探求読本 誰も書かなかった東武鉄道』(河出書房新社)『地下鉄の駅はものすごい』(平凡社)『電車の進歩細見』(交通新聞社)『譲渡された鉄道車両』(東京堂出版)ほか。国土交通省・行政や大学、鉄道事業者にて講演活動等も多く行う。

 

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