東武アーバンパークライン「新旧車両」に乗り比べ 新型80000系と8000系8111編成は年齢差61歳
さらに、4号車の車端部スペースには「たのしーと」が備えられた。こちらは前向きにも横向きにも座れるような座席配置で、ベビーカーを利用する親子連れに配慮したものとなっている。このスペースの化粧板も、子供部屋をイメージし、シャボン玉を吹く子供たちのイラストや三輪車、水玉模様のラッピングが施されており、とても楽しい雰囲気だ。
乗り心地は、加速がとてもスムーズ。減速は、筆者が乗車した際はブレーキの操作感覚にまだ慣れていないのか、緩解と制動を繰り返して操作しているのを感じた。シートの座り心地は良く、走行している車内音は、とても静かなのが印象的だった。
このように、チャレンジをふんだんに盛り込んだ80000系だが、その分課題もある。例えば、親子連れにお勧めの「たのしーと」は、子供部屋のように可愛いデザインになっているが、それゆえに、朝夕の通勤でサラリーマンやOLが座るには抵抗がありそう。また、これから沿線開発で利用者が増える状況において、1両の減車は時期尚早のようにも思えた。いずれにしろ、80000系は主力として、今後どのように東武野田線を背負っていくのか。期待したい。
東武を支えた代表的な車両
最新の車両と同時に、60年以上の歴史を持つ車両もアーバンパークラインで運行している。1963年10月に登場した8000系である。戦後高度成長期の東武鉄道を支えた代表的な形式で、当時主力だった7800系の後継車両として開発された。
東武鉄道沿線での人口急増と、当時主流だったつりかけ駆動装置の車両老朽化に対応するために設計された20m級の普通鋼製車体である。側面4扉(両扉式)で、以降の東武鉄道の標準的仕様の礎となり、今もなお活躍し、技術の伝承を行う歴史的名車だ。
登場以降、1983年3月までの間に712両も製造された。その車両数は大手私鉄の中で最も多く、鉄道ファンの間からは、同時期に製造された国鉄の最多形式103系(3400両以上製造)に肖り、「私鉄の103系」と呼ばれたほどだ。
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