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【前編】ブームさなかに倒産したAI半導体ベンチャー社長の独白、IPO断念し半導体開発に専念したが“和製エヌビディア”にはなれなかった顛末

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すると2014〜2015年にかけて「AIブーム」が訪れる。この流れの中でKDDIのプロジェクトへの採択が決まり、AIプロジェクトのPoC(初期段階の技術検証)を請け負うことができた。わずか25万円だったが、リープマインドとして初めての売り上げだった。

その後も、技術検証を中心にAIの受託開発を請け負っていく。売上高は順調に伸び、年間数千万円が安定的に立つようになった。

2019年頃には、AIスタートアップとしての知名度も上がり始めた。同年にはトヨタ自動車や三井物産、あいおいニッセイ同和損害保険と提携し、35億円の資金調達に成功。2020年には株式公開(IPO)の計画も具体化し、海外投資家とのIR面談も重ねていた。

ところが、その頃にはすでに受託開発事業の風向きは変わり始めていた。開発の報酬単価が、目に見えて下がり始めていたのだ。

顧客のために専用半導体を作ればよい

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