【キーパーソンに聞く】ロールス・ロイス、BMWを歴任したマクラーレン新CCOの意外な戦略

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ロールス・ロイスには、顧客向けに展開している「ウィスパーズ」なるオンラインを中心としたサービスがある。そこではオーナーどうしが情報交換できる機能も設けられている。私はロールス・ロイスの担当者から、「オーナーのコミュニティづくりは重要」と聞いたことがある。そのことを思い出した。 

しかし、ウィルヘルムスマイヤー氏の考えは、オーナーコミュニティだけにとどまらない。“さらにその先”も考えているという。

「現在の私たちのラインナップには、ひとつの共通性があります。それは2シーターだということです。先のことを考えると、ラインナップはより多様性に富んでいたほうがいいのではないか、と考えています」

ユーモアをまじえながらも確固たる意思を伝えてくれたウィルヘルムスマイヤー氏(写真:McLaren Automotive)
ユーモアをまじえながらも確固たる意思を伝えてくれたウィルヘルムスマイヤー氏(写真:McLaren Automotive)

「NO SUV」は貫くのか?

マクラーレン・オートモーティブはずっと「NO SUV」と、SUVは作らない方針を強調してきた。それを変えるということだろうか。そう尋ねると、「そうではない」とウィルヘルムスマイヤー氏は答えた。

「現時点では、方針が完全に決まったわけではありません。私たちはこれまで競合に対して、技術と性能でもって強い差別化を図ってきたつもりです。それでも、この先はさらに強い差別化が必要で、従来は視野に入れていなかったマーケットでも評価される製品が求められると、考えています」

マクラーレンは独創的なアイディアで市場におどろきを与えてきた。それがいわば伝統で「それを続けていきたい」と、ウィルヘルムスマイヤー氏はいう。

「2シーター以上という点では、かつて(2020年のスピードテールという)3座のスポーツカーを手がけ、たしかにかなり魅力的なデザインだったと思います。でも、将来(2人以上の乗員を乗せるクルマとして)同じ解決法を採用することはないでしょう。なにをするにしても、他とは一線を画すものでなければなりません」

東洋経済オンライン「自動車最前線」は、自動車にまつわるホットなニュースをタイムリーに配信! 記事一覧はこちら

ブルース・マクラーレン時代からのDNAがそこにあり、マクラーレンを愛してきた人たちが求めるものは、まさにそれなのだ。ほほえみながらビジョンを語るウィルヘルムスマイヤー氏に、マクラーレンが自動車界をおもしろくし続けてくれることを期待しよう。

【写真】スピードテールにアルトゥーラ……マクラーレン車のスタイリングを見る(50枚以上)
小川 フミオ モータージャーナリスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

おがわ ふみお / Fumio Ogawa

慶應義塾大学文学部卒。複数の自動車誌やグルメ誌の編集長を歴任。そのあとフリーランスとして、クルマ、グルメ、デザイン、ホテルなどライフスタイル全般を手がける。寄稿媒体は週刊誌や月刊誌などの雑誌と新聞社やライフスタイル誌のウェブサイト中心。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事